「被災地ボランティアどこに行けば」 まず社協サイトでニーズ把握を
「西日本豪雨の被災地でボランティアに参加したいけれど、どの地域に行けばいいのか分かりません。体力が持つかも不安」。広島市東区の女性(46)からこんなメールが編集局に届いた。盆休み明けに各地でボランティアの受け付けが再開されると、初めての活動を計画する人もいるだろう。情報収集など準備のポイント、作業内容について整理した。
■準備ポイント
「被災地によって支援のニーズは異なる。まずは状況を知って活動を」と県社会福祉協議会の仁志田訓司事業部長は呼び掛ける。
ただ、各ボランティアセンターに募集状況を問い合わせるのは、なるべく控えたい。電話が相次ぐと、被災者の相談に乗るなどの仕事に支障を来しかねない。
代わりに有用なのが同協議会のサイト「広島災害ボランティア情報」だ。各被災地の募集状況、人員不足の程度が地図上で色分けされ、どこの地域へ行けばいいか判断する材料になる。
メールを送ってくれた女性に電話すると、「スコップを持って、長靴のまま公共交通機関を利用してもいいのでしょうか」という質問もあった。
各センターはスコップなどの用具は貸し出しており、自宅から無理に持参する必要はない。豪雨以降、十数回のボランティアをした広島市佐伯区の延谷光生さん(62)は「泥が付いた長靴を入れる袋や着替えの用意を」と助言する。帰りのバスや列車の車内を汚さないためだ。坂町や東広島市など一部のセンターには更衣室もあり、着替えができる。
もっと手軽に被災地へ行く手法もある。県ボランティアセンターは、県内の主な被災地とJR広島駅、福山駅をそれぞれ結ぶ無料バスを運行する。広島駅発着は17〜29日、福山駅発着は18〜29日。運行日や運行時間は確認が必要。電話082(254)3506。
16日は雨が予想されるため、広島市や坂町などのセンターは受け入れを中止する。
■作業内容
広島市災害ボランティアセンターによると、現在の主な仕事は個人宅に流れ込んだ土砂や周辺の側溝にたまった泥のかき出しだ。重機が入れない狭い所では、スコップを使い人力で作業する。
体力が持つか不安な人は、参加を午前中だけにすることもできる。坂町などでは「10分作業、10分休憩」のペース。「現場で小まめに休んでも大丈夫」と似島災害ボランティアセンターの船谷季弘(としひろ)さん(49)。同センターなどでは、屋内清掃など比較的軽い作業もある。
坂町災害たすけあいセンターの増田雄希さん(38)は「土砂のかき出しなどのニーズはまだ多いが、家屋の清掃やセンター内の受け付けなどの人手も必要。ぜひ一歩踏み出し、参加してもらえたら」と話している。(山本真帆、東聡海)
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