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紅葉を前になぜ 「楽しみにしていた街路樹、剪定された」

2018/11/22 0:00
紅葉は見頃だが、剪定されるアメリカフウ(11月14日、広島市西区)

紅葉は見頃だが、剪定されるアメリカフウ(11月14日、広島市西区)

 「自宅近くの街路樹の紅葉を楽しみにしていたのに、色づく前に剪定(せんてい)されてしまった」。広島市西区の会社員女性(59)から、無料通信アプリLINE(ライン)で声が届いた。なぜこのタイミングで切るのか、調べてみた。

 女性が住む団地では、市道沿いに落葉樹アメリカフウが植えられている。秋には赤や黄に色づき、澄んだ青空とのコントラストがきれいなのだという。だがここ数年、葉がまだ緑色の10月下旬には丸裸になる。「少しは紅葉を楽しませてほしい」と残念がる。

 ▽片付けも兼ねる

 市道の落葉樹は各区が管理し、委託業者が夏と秋に剪定している。夏は葉の広がりを防ぐため。秋は枝を間引いて樹形を整えたり、新しい枝の生育を促したりするためだ。

 樹勢を保つためなら、葉が全部落ちた冬に剪定してもいいはずだが―。西区維持管理課の栗原修課長によると自治会などから「落ち葉を掃くのが大変だから、早めに枝を切って」という要望が多いそうだ。そこでまだ葉が残る11月に剪定すると決め、落ち葉の片付けも兼ねているという。

 だが、女性の投稿には「10月下旬に丸裸になった」とあった。どういうことだろう。「『葉が落ち始める前に切ってほしい』という要望も多くて…」と栗原課長。剪定時期をさらに早める地域もあるようだ。

 ▽「早めに切って」

 西区内には約7200本の街路樹があり、そのほとんどが落葉樹。全体の3分の1に当たる2400本は「早めに切って」という要望に応え、10月に剪定しているという。

 早めの剪定を希望する地域が多いことに驚く。では、「時期を遅らせて」という要望はないのだろうか。市公園整備課の佐々木正治課長によると、そちらは聞いたことがないそうだ。ただ、はっきりとこう約束した。「一個人の意見だけで変更するのは難しいが、町内会や自治会の総意であれば時期の変更は柔軟に対応する」

 「早く切られて残念」という声は、この女性を含め3人からLINEで寄せられた。紅葉を心待ちにする人が一定にいる証しだろう。半面、落葉樹がそばにある住民にとっては、片付け作業がつきまとい負担に感じるのもよく分かる。

 剪定の時期を巡り、自治会などで一度話し合ってみてはどうだろう。地域づくりの思いがけない発見があるかもしれない。

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