コラム・連載・特集

「広島市の大型ごみ持ち込み、土日もあれば」 渋滞懸念、市は慎重

2018/12/3 0:00

 「広島市では、大型ごみの処理施設への持ち込みが平日にしかできません。仕事があるので、土日に持ち込めれば助かる」。こんな声が、東区の会社員女性(54)から無料通信アプリLINE(ライン)で寄せられた。ほかの政令指定都市でも休日に受け入れるケースは多い。なぜ広島市は平日限定なのだろうか。

 市内の大型ごみの持ち込み先は、安佐南区伴北の安佐南工場大型ごみ破砕処理施設。予約や手数料は要らないが、月―金曜だけで、土日や祝日は休みだ。女性には1人暮らしの高齢の父親がおり、大型ごみを自分で屋外に出すのは難しい。手伝いに行きたいが「仕事を休んでまでは…」とため息をもらす。

 ▽過去には受け入れ

 市施設課の高橋泰治課長に要望をぶつけると「渋滞対策なしでは難しい」との返答だった。休日に受け入れた過去があるという。

 2003〜06年度、年4〜8日に限って休日に受け入れた。持ち込みの車は1日当たり2千台を超え、周辺の道路が渋滞した。市は事故の危険もあると判断し、対応をやめた。

 持ち込み量は、01年度に大型ごみの戸別収集を有料化した後、急増した。17年度は過去最多の7072トンに上り、持ち込みの車も15万1894台に。外出ついでの少量の持ち込みが多いという。

 高橋課長は休日の受け入れ再開に慎重だ。ただ「望む声があるのは理解している。予約制を導入するほかの市の状況を調べている」とも。可能性を探っている段階のようだ。

 ▽政令市の大半可能

 それなら、ほかの19政令市はどうか。大半の16市が「土曜午前のみ」「祝日を含む月―金曜」など何らかの形で、休日にも受け入れている。また、重さなどに応じて手数料を取るのは16市、事前予約が要るのは6市ある。

 岡山市は予約制で、日曜にも無料で受け入れる。持ち込めない品目について事前に説明したり、待ち時間を短縮したりできるが、年末など繁忙期には予約が数週間先まで埋まることもあるという。

 このほか「広報紙で平日利用を勧める」(新潟市)「少量の持ち込みは原則受け入れず、戸別収集を促す」(静岡市)など、それぞれが混雑を緩和する対策をとっている。

 各市の対応が違うのは、それぞれコストや環境保護、利便性などをてんびんに掛けた結果だろう。冒頭の女性も「土日に持ち込めるなら、多少の手数料や予約制も理解できる」と柔軟な姿勢。多様な議論の余地があるはずだ。市は、市民の声に耳を傾けることから始めてはどうだろうか。

この記事の写真

  • 大型連休谷間の平日に大型ごみを持ち込む車の列=5月1日、安佐南区の大型ごみ破砕処理施設(広島市提供)

上記の写真をクリックすると拡大して表示されます。

  • 「こちら編集局です あなたの声から」では、みなさんが日ごろ「なぜ?」「おかしい」と感じている疑問やお困りごとなどを募っています。その「声」を糸口に、記者が取材し、記事を通じて実態や話題に迫ります。以下のいずれかの方法で、ご要望や情報をお寄せください。

  • LINE公式アカウント

    LINE友だち登録またはQRコードから友だちになってトークをしてください
  • 郵送

    〒730-8677
    広島市中区土橋町7-1
    中国新聞社
    「こちら編集局です」係

    ファクス

    中国新聞編集局
    「こちら編集局です」係
    082-236-2321
  • 前の記事へ
  • 次の記事へ

 あなたにおすすめの記事

こちら編集局です あなたの声からの最新記事
一覧

パートナー社

  • 中国新聞「こちら編集局です あなたの声から」は、双方向型の調査報道に取り組む全国のパートナー社と連携協定を結んでいます。記事をお互いの紙面やウェブサイトに掲載したり、情報の取り扱いを十分に注意した上で取材・調査テーマを共有したりします。地域に根を張るローカルメディアがつながり、より深く真相に迫っていきます。

北海道新聞 東奥日報 岩手日報 河北新報 新潟日報 東京新聞 信濃毎日新聞 中日新聞東海本社 岐阜新聞 京都新聞 神戸新聞 まいどなニュース 徳島新聞 西日本新聞 琉球新報