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「デリバリー給食がおいしくないと言う」

2018/12/11 0:00
昼食を楽しむ牛田中の生徒。デリバリー給食の赤色のプラスチックケースや、持参の弁当箱が入り交じる

昼食を楽しむ牛田中の生徒。デリバリー給食の赤色のプラスチックケースや、持参の弁当箱が入り交じる

 ▽弁当持参に切り替えも

 「中1の子どもがデリバリー給食がおいしくないと言う。もっといい給食にならないか」。広島市立中に通う息子(12)を持つ安佐南区の母親(41)からメールで編集局に寄せられた。最近は負担が大きいものの、弁当の持参に切り替えたという。学校現場を訪ねて声を聞いてみると、評価はさまざまあるようだ。

 同じくデリバリー給食を取り入れる牛田中(東区)の昼食時間。訪ねた1年生のクラスでは、半数がデリバリー、半数は持ってきた弁当を食べる。どちらを選ぶかは、生徒や保護者に任されている。

 デリバリーだった岩本美桜さん(13)は「味は普通。できたら弁当がいいけどお母さんも大変だから」と話し、苦手な白身魚に手を付けられずにいた。高橋純弥さん(13)は「家ではあまり出ない魚料理が食べられるのがうれしい」と大喜びで完食した。評価は実にさまざま。食の好みの違いも大きいのだろう。

 別の日、記者も試食した。プラスチックケースに入った見た目は味気ないが、思ったよりもおいしい。家庭的な薄い味付けで食材の種類も多く、1食300円なのもうれしい。

 ▽高い食べ残し率

 ただ、話を聞いた生徒に共通したのは「校内で作られた小学校の給食の方が良かった」という意見だった。みそ汁やスープなどが温かいまま食べられたのにと。デリバリーは衛生管理のため、おかずを20度以下に保つ。「冷たい」とのマイナス評価はつきまとう。

 市教委によると、デリバリー給食の食べ残し率は2017年度、21・8%。校舎でつくる自校調理の1・8%を大幅に上回った。健康教育課の藤川宜陽課長は「デリバリーは量を微調整できない影響もある」と分析する。

 しかし、デリバリーは生徒の申込率は年々減り、17年度に過去最低の37・5%だった。小学校で味わった給食と比べて不満を感じる側面もあるのだろう。

 ▽みそ汁など工夫

 牛田中は食べ残しを減らそうと、デリバリーの生徒にふりかけや保温器に入れたみそ汁の持参を認めていた。編集局に声を寄せた母親の息子の学校は、どの取り組みもしていない。おいしく食べる工夫はあるはずだ。

 市立中では提供の方式が三つに分かれている。コストなど事情があるにせよ、温かいものが食べられる学校と食べられない学校があるのは割り切れない思いが残る人がいるだろう。市教委が来年度以降、給食提供の在り方を検討すると聞いている。生徒や保護者の目線でいま一度、点検してみてほしい。

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