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「果樹の葉を食い荒らす毛虫の正体は」 オビカレハ幼虫大発生

2019/5/15 23:59
殺虫剤を散布する三次市シルバー人材センターの会員

殺虫剤を散布する三次市シルバー人材センターの会員

 「自宅周辺に毛虫が大発生しています。この毛虫は何なのでしょうか。また、多い理由が分かりますか」。三次市吉舎町のアルバイト男性(67)から無料通信アプリLINE(ライン)で編集局に疑問が寄せられた。同様の不安の声は、中国新聞の三次、庄原両支局にも届いている。正体は、ガの仲間オビカレハの幼虫で、農作物の被害も出ている。

 ▽広島県北ガ仲間 来月までか

 「桃の木の葉が食い荒らされた」「シイタケの原木であるクヌギの木の葉がなくなった」。JA三次には今月上旬以降、大量発生した毛虫の被害報告が1日10〜20件寄せられている。三次市や庄原市では、毛虫と、毛虫が張ったとみられる網状の糸が付着した樹木が多く見つかっている。

 指導販売課の藤村裕明さん(62)は「果樹は実太りが満足にできなくなり、原木も養分が少なくなってシイタケの数が減るかもしれない」と懸念する。

 三次、庄原両市など県北部のJAや役場、駆除を担う業者には、住民から相談や依頼が殺到。「こんなに大量に出たのは初めて」との悲鳴が続出する。広島市森林公園こんちゅう館(東区)によると、毛虫はオビカレハの幼虫で、3〜5月初旬に卵からふ化する。毒はないが、触れるとかぶれる可能性もあるという。幼虫はコナラやクヌギのほか、バラ科やヤナギ科の木の葉を好み、樹上で糸を吐いて群がる。大量発生の原因は「分からない」とする。

 毛虫は、樹上だけでなく地上で動き回る様子が三次市などで目撃されている。同市の三次青陵高では、大型連休明けから毛虫が急増。校庭や中庭の草木のそばで、背にオレンジ色と水色の線が入った大量の毛虫が、うねうねとうごめく。

 同高は市シルバー人材センターに駆除を依頼。14日、同センターから派遣された会員が出向き、殺虫剤を噴霧して回った。同センターの例年の毛虫の駆除依頼は1、2件だが、今年は既に10件を超える。発生源とみられる木の伐採に踏み切るケースもある。

 有害生物対策に詳しい広島県ペストコントロール協会(広島市西区)は、三次市のほか、庄原、尾道両市や世羅町で毛虫の大量発生を確認。6月の中旬まで続くとみる。中本友若理事(66)は「県北での大発生は、山林の多さが一因では。根本的な対策は難しく、姿を確認次第、市販の殺虫剤で対応するしかない」と説明している。(八百村耕平)

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  • 三次青陵高の敷地に大量発生したオビカレハの幼虫

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