「もったいない」賛同多数 備蓄食活用推す声も
広島市立の小中学校の大雨警報による休校に伴い、給食5万7千人分が廃棄された問題を扱った19日付「給食廃棄もったいない」には、29日までに36人が編集局に意見を寄せた。休校の可能性がある日は給食調理を止め、弁当持参や備蓄の非常食に変更するなど、柔軟な対応を求める声が相次いだ。
「5万食をリサイクルもせず、ただ捨てるのは信じられない」。南区の主婦(40)は驚きを隠さない。学生時代に働いたパン店は、売れ残り商品を業者に譲って家畜の餌にしていたと振り返り、「何らかのやり方はあるはず」と訴える。
休校の可能性があり、給食をキャンセルした場合、天候が回復して登校になったときにどうするか。記事では「急に弁当持参と言われて困る保護者もいると考え、事前の給食中止には踏み切れていない」とする市教委の見解を紹介した。
これに対し、小学生の子どもを持つ西区の主婦数井恵美さん(46)は「弁当でなく、おむすびなら共働きの家庭でも対応しやすいのでは」と提案する。「まずは学校が保護者に現状を説明し、その上で、おむすびや弁当持参の是非についてアンケートをしてはどうか」
一方、備蓄食料の活用を推す声もあった。安佐南区の主婦(43)は、昨春まで住んでいた名古屋市の小学校の取り組みを挙げた。「天気が怪しいときは前日に給食中止の通知があり、登校になれば備蓄のレトルトカレーが給食に出ていた」。東海地震を想定して学校や幼稚園が非常食を備蓄し、期限切れ前に食べる機会があるため、給食が非常食でも抵抗感はないという。
東区の会社員国弘益美さん(51)も「生徒が非常食を食べ、避難所生活を想像することが、防災について学ぶきっかけになる」と前向きに捉える。
寄せられた声では「米飯は冷凍保存を」とのアイデアも目立った。ただ、市教委によると、各校の調理室の冷凍庫は肉や魚を入れる容量しかないという。
夏休み前最後の19日の給食も、市内では74校(53小学校、21中学校)が休校したため計3万2600食が廃棄された。市教委健康教育課の藤川宜陽課長は「現状でいいとは思っていない。各校に非常食を備蓄するか、おむすび持参がいいか。他市の事例も参考にしたい」と、何らかの見直しを検討する考えを示した。(馬場洋太)
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