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消費税負担5通りに 「軽減税率の仕組み分かりにくい」

2019/9/6 21:14

 「軽減税率の仕組みがどうにも分かりにくい」。広島市西区の70代主婦から編集局にこんなメールが届いた。10月1日、消費税率は10%に引き上げられるが、食品などは8%に据え置く制度のことだ。「みりんでも8%と10%に分かれると聞いた。混乱しそう」と困惑する。ポイントを整理した。

 ▽専門家「明細見返す癖を」

 軽減税率には暮らしに欠かせない物の税率を下げ、家計への負担を抑える狙いがある。対象は飲食料品と宅配の新聞。ただし外食と酒は除外された。そこで「分かりにくさ」が生じる。似たものでも税率が異なってくるのだ。

 寄せられた声の通り「みりん風調味料」は8%だが、アルコール分を含む「本みりん」は酒類に分類されるため10%になる。飲料水として売られるミネラルウオーターは8%。一方、風呂や洗濯にも使われる水道水は10%だ。

 医薬品や医薬部外品も飲食料品に含まれない。同じ商品棚に並ぶ栄養ドリンクでも、医薬品の表示がなければ8%、あれば10%となる。

 さらに飲食する場所などによっても税率は変わる。コンビニのイートイン、スーパーのフードコートなどの店内飲食は「外食」とされ通常税率の10%だ。一方、テークアウトすれば同じ商品でも8%。食事の出前も8%となる。

 では遊園地の売店で売られるアイスクリームは? 歩きながら食べる場合は8%、売店が設けたベンチで食べれば10%となる。店が飲食用に設けた施設での飲食は「外食」と見なされるわけだ。映画館の売店で売られるアイスを座席で食べたなら? これは8%。国税庁によると映画館の座席は本来、飲食するためではなく鑑賞のためにあるから―という。

 クイズを解いているようだが、話はさらに複雑だ。「実質の税率は、実は5通りになる」と語るのは、ファイナンシャルプランナーの波多間純子さん(51)=廿日市市。クレジットカードや電子マネーなどで支払う「キャッシュレス決済」において、国がポイント還元制度を導入するからだ。

 還元率は中小店舗5%▽コンビニなどのフランチャイズチェーン店舗2%▽大型店0%―の3種類ある。

 例えば小さな店でパンを買って帰ったら―。税率は8%だが、金額の5%が国からポイントなどの形で戻るため税負担は実質3%で済む。一方、大手スーパーで買ったパンを店内で食べれば、軽減税率もポイント還元もなく10%。このように負担割合は3、5、6、8、10%の5通りとなる。

 ポイント還元制度は来年6月末までの時限措置。しかも対象店舗は政府に登録した事業者に限られる。波多間さんは「まずは使いたい店がポイント還元の対象かどうかの確認を。制度は複雑だし、キャッシュレス決済はつい使いすぎてしまうため、明細を見返す癖を付けて家計をコントロールする意識を強めて」と呼び掛ける。(田中美千子)

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