「玖珂PAに車放置 なぜ3年も」 所有者判明も撤去の壁
「高速道路のパーキングエリア(PA)の駐車場に車が長期間放置されている。管理会社はなぜ撤去しないのか」。広島市佐伯区の60代会社員男性から編集局に疑問の声が寄せられた。西日本高速道路中国支社によると、車の所有者は分かっているが、道路でないため警察による撤去もできず、放置は3年近くにもなるという。
放置されているのは岩国市の山陽自動車道下り線、玖珂PAの駐車場。軽ワゴン車の車内は荷物が散乱しており、右側の前輪はパンクしている。同支社の周南高速道路事務所(周南市)が放置を確認したのは2016年12月。ナンバーから車の所有者は判明した。
同事務所によると、所有者は放置理由を「車が故障したため」と説明。謝罪した上で撤去の意思を示したが、指定した期日までに実行されないまま現在に至っている。
同事務所が対応する上でネックとなるのが、所有者が判明していること。同社の内規では所有者が不明な場合は車検の有効期限を過ぎた際などに処分できるが、所有者が分かっているため財産扱いとなり勝手に処分できない。さらに駐車スペースの枠内に止まっているため、通行の邪魔にならず撤去できないという。
せめて別の場所に移動できないのか。これについても勝手にレッカー移動して車体に傷が付くと損害賠償を請求される恐れもあるとしている。同事務所は現在、撤去作業を代行し料金を請求することを検討している。同事務所管理課の川村恵蔵課長は「利用者からの苦情は承知しているが、現状では所有者に対応をお願いするしかない」と話している。(加田智之)
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