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山口県が初の外国人雇用調査 「国際貢献」目的ほぼ皆無

2019/10/9 9:16
岩国市の縫製工場で働く外国人技能実習生

岩国市の縫製工場で働く外国人技能実習生

 外国人労働者の受け入れを拡大する改正入管難民法が4月に施行されたのを受け、山口県が初めて外国人雇用の実態調査をまとめた。技能実習生の雇用が約6割を占め、「人手不足」の穴埋めと答えた企業が最も多かった。一方、国が掲げる「国際貢献」を目的に挙げたのはほぼ皆無で、制度の建前と本音が浮き彫りとなった。

 4月の同法施行後の6月17日から7月12日に実施。県就労支援施設「山口しごとセンター」の登録企業のうち、672社から回答を得た。外国人を雇う企業は155社で計1706人。内訳は技能実習生1099人(71社)、接客などのアルバイト319人(22社)、通訳などの正社員245人(84社)、経済連携協定(EPA)の介護など43人(12社)と続いた。新たな在留資格「特定技能」はゼロだった。

 雇用理由(複数回答)では、「人手不足」が77社で最多。「業務上必要」57社▽「能力で採用した者がたまたま外国籍」42社▽「社内の活性化など」30社―と続いた。技能実習制度が目的に掲げる「国際貢献」は2社にとどまった。

 「雇用していない」と回答した企業は約7割の517社。その理由(複数回答)では「受け入れ準備ができていない」が271社と最も多かった。

 県は本年度末までに最終的な集計をまとめ、外国人雇用の制度を紹介するハンドブック作成に生かすという。県労働政策課の村岡裕幸主査は「技能実習や特定技能の目的や在留資格の違いなどを紹介し、企業に情報提供したい」と話している。(和多正憲)

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