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浅野氏屋敷、史料でたどる 広島城で企画展、絵図や写真100点

2019/11/21
「東都名所霞ヶ関全図」(広島市立中央図書館蔵)

「東都名所霞ヶ関全図」(広島市立中央図書館蔵)

 江戸時代、旧広島藩主浅野氏が江戸や大坂に構えていた屋敷について紹介する企画展「江戸屋敷・大坂蔵屋敷」が、広島城(広島市中区)で開かれている。

 江戸には参勤交代の藩主らが滞在する大名屋敷が立ち並んでいた。浅野氏は藩主や妻子が住まう上屋敷、別荘の下屋敷など四つの屋敷を整えていた。同展では、それぞれについて建物の絵図や写真パネルなど約100点を並べている。

 歌川広重の浮世絵「東都名所霞ヶ関全図」(写真・広島市立中央図書館蔵)は、大名行列や商人などのにぎやかな往来とともに、浅野家の上屋敷を描いている。ひときわ目を引く赤門は、将軍家の息女を奥方に迎えた格式の高い大名家であることを示す。上屋敷は霞ヶ関坂を挟んだ対面の福岡藩主黒田家とともに、江戸の名所として知られた。

 上屋敷は1833年、9代藩主斉粛(なりたか)が将軍の息女末姫を正室に迎えたのを機に、増築された。50人ほどのお付きが暮らす居室などが必要となったからだ。「芸州御住居御襖(ふすま)絵図」は、新居のふすま絵の下絵。幕府の絵師住吉弘定が源氏物語の一場面などを優美に描いた。

 物流の中心地大坂にあった浅野氏の蔵屋敷では、広島から船で運ばれた物資が荷揚げされ、売りさばかれた。明治時代初期ごろの写真パネルには、蔵屋敷内の船入に厳島神社(廿日市市)の大鳥居と似た鳥居が写っている。

 同展は浅野氏の広島城入りから今年で400年になる記念に企画された。12月1日まで。(森岡恭子)

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