【月刊E・11月号】「身の丈」を測るのは、いったい誰だ
筆者が新聞記者として本格始動したのは入社2年目、経済部に配属されたときだった。もう36年たつ。
先輩記者の取材の仕方、記事の書き方を見よう見まねでものにしようと思うのだが、そもそも半人前の身には、どこをどうまねればいいのかさえ分からない。過去の記事をまねるのは手っ取り早いが、やはり先輩にはかなわない。スクラップを机に広げると、すぐに取り上げられた。
見かねた先輩の一人がある日、そっと耳打ちしてくれた。「一人前の経済記者になりたいなら、数字を一つ覚えておけ」と。
それは「7%」であった。
(ここまで 244文字/記事全文 1753文字)

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