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五輪へ、沿道も沸いた 設楽・田村…候補が快走

2020/1/19
マラソンで東京五輪出場を目指す埼玉の設楽(手前)に大きな声援を送る沿道のファンたち(撮影・安部慶彦)

マラソンで東京五輪出場を目指す埼玉の設楽(手前)に大きな声援を送る沿道のファンたち(撮影・安部慶彦)

 さあ、東京五輪の舞台へ―。オリンピックイヤーの幕開けを彩る19日のひろしま男子駅伝。マラソンや1万メートルの代表候補に名を連ねるトップ選手の快走に安芸路が沸いた。沿道のファンは今後の代表レースの行方に期待を膨らませた。

 「したらー」「行けー」。最終7区。4位でたすきを受けた埼玉のアンカー設楽(したら)悠太(ホンダ)が平和記念公園(広島市中区)前を駆け抜けると、沿道に陣取った広島埼玉県人会のメンバーが口々に叫んだ。

 五輪のマラソン代表を目指す「郷土の星」。沿道で揺れるA4サイズのパネルには「翔(と)んで埼玉 めざせ五輪」の文字が躍る。優勝のゴールテープを切った2年前の再現はならなかったが、区間3位の安定した走りで魅了した。同県人会の古杉光良さん(58)=福山市=は「いい表情。五輪、行けるでしょう」。

 同じ7区では、1万メートルの代表を狙う福島の相沢晃(東洋大)が12人抜きで区間賞に輝いた。「名前を呼んだら笑い返してくれた。軽快で、余裕もあった」。ひろしま福島県人会の伊丹真二会長(72)=安佐南区=は、東京五輪でトラックを走る姿を思い描く。

 25回を重ねたひろしま男子駅伝。マラソンとトラック競技の五輪候補が同じ舞台で競う大会の醍醐味(だいごみ)を多くのファンが味わった。ゴール付近では、トップ選手の走りを一目見ようと「駅伝女子」も集結。高知市の高校1年片岡芹菜さん(16)は、箱根駅伝でも活躍した相沢を応援するため駆け付けた。「どんな状況でも自分の走りを貫き、前を追う姿勢が好き」

 7区とともに、もう一つの一般区間である3区では、1万メートルの代表選考で相沢としのぎを削る山口の田村和希(住友電工)が区間1位。ライバルを上回る13人抜きの力走を見せつけた。

 3区のコース沿いにある山口銀行廿日市支店(廿日市市)前には広島山口県人会の約15人が小旗を振って後押し。鵜原浩平さん(27)=西区=は「郷土出身者が五輪に出場したら盛り上がりが違う。今日の走りを自信にして代表をつかんでほしい」と力を込めた。(松本大典、宮野史康、山下美波)

 ▽聖火リレーへ感謝の走り 広島3区吉田

 聖火リレーランナーとして東京五輪にかかわる広島の吉田圭太(青学大)が、3区で区間6位と好走を見せた。「地元の期待に応えたいと思って走った。名前を呼んでもらい、うれしかった」と声援に感謝の言葉を並べた。

 東広島市出身。この駅伝は高屋中、世羅高時代を合わせて6度目の出場で、区間6位以内が5回と抜群の強さを誇る。「自分を育ててもらった大会。多くの声援が、きついところで力になっている」と笑顔を見せる。

 大学屈指のランナーに成長し、5月18、19日に広島県内を走る聖火リレーランナーに抜てきされた。出場を目指す2024年パリ五輪への「ステップ」と位置づける一年だ。「二度と経験できることではないので、すごくうれしい。伝統ある聖火リレーにふさわしい走りをしたい」。次なる大役に意欲を燃やした。(加納優)

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  • 3区で区間6位と好走した広島の吉田

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