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【MVP】激走、圧巻の12人抜き 一般・相沢(福島7区)初の連続受賞、「学生最強」真価を証明

2020/1/19
7区で12人抜きの力走を見せ、2年連続の一般MVPに輝いた福島の相沢(撮影・安部慶彦)

7区で12人抜きの力走を見せ、2年連続の一般MVPに輝いた福島の相沢(撮影・安部慶彦)

 「学生最強ランナー」が並み居る実業団選手を圧倒した。7区で快走した福島の相沢(東洋大)が大会初となる2年連続の一般MVP。「最初から最後まできつかったが、目標としている埼玉の設楽選手(ホンダ)に勝てたのは良かった」。ファンに囲まれ、爽やかに汗を拭った。

 連覇を狙った福島は出遅れ、26位でたすきを受けた。「思ったより後ろの順位だったので、一つずつ上げていこうと思った」。言葉通りに12人を抜き去り、16年前の区間記録(37分9秒)に1秒差に迫る好タイム。「(新記録を)逃して悔しい。足が動かなかった」と残念がった。

 照準を合わせた箱根駅伝は、2区で区間新を出してMVPに輝いた。その後調整に苦しんだが、「自分を成長させてくれた」という大会でもロードでの強さを証明し、駅伝シーズンを締めくくった。

 今春大学を卒業し、強豪の旭化成に進む。箱根を彩ったランナーは東京五輪出場を目指し、主戦場を1万メートルに変える予定だ。「スピードを強化し、トラック仕様に走りを変えていきたい」。最高のスタートを切った2020年の主役に躍り出る。(西村萌)

 ▽鮮烈、V導く区間新 中学・吉岡(長野6区)、3位から一気に先頭へ

 実力伯仲のジュニアB(中学)優秀選手賞争いは、長野の吉岡(川中島中)が鮮烈な走りで制した。6区の区間記録を7秒塗り替える8分22秒。「記録を更新できたのは良かったけど、目標タイムに2秒届かなかった」。優勝の立役者の表情は喜びと悔しさが入り交じった。

 全力で前を追った。1位と16秒差の3位でスタート。1・4キロすぎでトップに立つと、さらにペースを上げて2位兵庫に8秒差をつけた。「長野は優勝を目指すチーム。先頭に立つだけでなく、一秒でも差を広げてたすきを渡す」。3000メートルランキング2位の実力者は、6区11位で不完全燃焼だった昨年の悔しさも晴らした。

 長野県チームの高校生メンバーが通う佐久長聖高への進学を目指す。「高校生になってもこの舞台で1位になりたい。将来は日本のトップレベルの選手になる」。名前は大翔(ひろと)。大きな勲章をステップに大きく羽ばたいていく。(川手寿志)

 ▽猛進、有言実行の快記録 高校・吉居大(宮城1区)、終盤スパート「きつかった」

 無心で勝つより、きっと難しい。「自分の走りをすれば、区間賞は取れる」と狙って走って、有言実行。宮城の吉居大(仙台育英高)が1区で区間新を出し、ジュニアA(高校)優秀選手賞に輝いた。

 最初の1キロが2分40秒台という速いペースに、先頭の少し後ろに潜んだ。「余裕はなかった」という残り280メートルで駆け出す。左側から一気に前へ出ると後ろを見ながら、逃げた。「スパート勝負で、きつかった」。たすきを託し、そのまま倒れ込んだ。

 昨年のインターハイ5000メートルでは日本人最高の3位に入った実力者。全国高校駅伝では3区を走り、チームの優勝をけん引した。「ラスト1000メートルが得意」という長所を安芸路で生かし、高校生ナンバーワンの称号を手にした。

 来春は中大に進学予定。箱根駅伝やマラソンに挑戦する夢がある。「ひろしま男子駅伝は(過去に)たくさん強い選手が走ってきたので、(MVPが)自信になる」と喜んだ。(五反田康彦)

 【区間賞】

 ▽百点満点の走りに自信 2区長嶋(兵庫)

 「ラスト500メートル地点でスパートをかけることができた。白バイを追いかけていたので何人抜いたかは分からなかった。百点満点の走りで自信になったけど、6区の吉岡君にタイムで負けたのは悔しい」

 ▽リラックスして走れた 4区唐沢(埼玉)

 「いい順位(8位)でたすきを受け、リラックスして走れたのが大きい。前に走者がいたのでひたすら追った結果が、区間タイ記録につながったと思う。想像以上の走りができ、今後の競技人生の自信になる」

 ▽追い抜きながらリズム 5区松山(福島)

 「前にたくさん走者がいたので、1人ずつ追い抜きながらリズムをつかむことができた。区間タイ記録を出すことができたけれど、区間新を狙っていたので、頑張ってあと1秒縮めることができたらよかった」

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  • 6区区間新で中学MVPを獲得した長野の吉岡(撮影・田中慎二)
  • 1区区間賞を獲得し、高校MVPに輝いた宮城の吉居大(撮影・田中慎二)

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