【こちら編集局です】「東京五輪開催 どう考えますか」アンケート 読者も「1年延期」最多
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、東京五輪・パラリンピックが1年程度延期される方向となったが、読者はどう思うのか。編集局が無料通信アプリLINE(ライン)を通じて行ったアンケートでは開催時期について425件の回答が寄せられ、1年延期を求める声が最も多かった。
五つの選択肢を用意し、24日夕まで24時間、回答を求めた。「1年後に仕切り直すべきだ」は162件(38・1%)。年内開催した場合のさらなる感染拡大や、海外選手のボイコットが相次ぐことなどへの懸念を理由に挙げた人が多かった。「感染症が完全に終息しないなら、中止もあり得る」も89人(20・9%)と多かった。
「従来通り、7月に開催すべきだ」は12人(2・8%)と少数だった。理由として、既に代表に選ばれている選手の心情を配慮する声も寄せられた。
「その他」の自由記述では「北京冬季五輪がある2022年に開いてはどうか」「治療薬などができ、感染症が完全に終息してから開催を考えるべきだ」などの提案が目立った。(田中美千子)
▽万全なら楽しめる/22年夏冬アジアで
編集局が実施した東京五輪・パラリンピックアンケートには、延期を求める意見が多く寄せられたが、開催時期は年内から2年後まで幅があった。
多かったのは1年延期の声。広島県海田町の高校1年男子(16)は「今年中に感染が終息するのか分からない。1年後に万全の体制が取れたら、選手も観客も楽しめる」と期待する。呉市の看護師女性(55)も「数カ月では終息しない。日本で感染爆発したら歴史に残る悲劇の五輪になる」と「1年後」を推す。
「選手ファーストで考えれば年内だ」と求めたのは、広島市中区の会社員女性(32)。「延期が長引けば、やっとの思いで選考を勝ち抜いた選手が参加できない事態になりかねない」と案じた。
同県世羅町の農業男性(65)も「延期は仕方ないが、今秋なら酷暑も避けられて理想的」と年内を希望する。福山市のパート女性(47)は「開催が遅れるほど景気悪化が進む。感染が一定に落ち着けば年内に明るい話題が欲しい」と願う。
一方、延期しようとしても、スポーツイベントの日程が今後もぎっしり詰まっていることを指摘する意見もあった。南区の会社員男性(46)は「陸上や水泳の世界選手権などと重なってしまう」と1年後の開催に懐疑的だ。安佐南区の主婦(59)も「来年開催する場合、会場が確保できるかどうか」とし、2年後の2022年の開催を提案する。
中区の会社員女性(55)は、22年の北京冬季五輪にも着目。「夏と冬に開催すれば、共にアジアで感染症を乗り越えたことになる。世界に勇気を与え、経済もV字回復できるのでは」と望む。
予定通りの開催を求める声もあった。安佐南区の大学生女性(19)は「4年に1度の開催でこそ意味がある。7月のために準備してきた選手もやるせないだろう」と思いやる。切実な声も届いた。福山市の会社員男性(42)は五輪のチケットを購入している。「やっとの思いで手に入れた。ホテルも返金不可だという。感染症終息の可能性に望みを掛けたい」
ただ、感染症がさらに長期戦になるとの見方から中止を求める人も一定にいた。「未知の部分が多い病気。軽く考え過ぎだ」(67歳男性、安佐北区)「終息しなければやるべきではない。命を大切にしない大会は平和でも何でもない」(41歳事務職女性、安佐南区)と痛烈な声が上がった。
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