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【こちら編集局です】10万円給付、歓迎6割 政府対応の遅さ指摘も

2020/4/17 23:33

 所得制限を設けず、全国民に一律10万円を給付する―。政府は新型コロナウイルス対策として、減収世帯に絞った30万円給付は取り下げ、対象を拡大する方針だ。編集局が無料通信アプリLINE(ライン)を通じて17日に実施した緊急アンケートには1441人から回答があり、「ありがたい」と新たな案を歓迎する声が6割を占めた。

 4択で10万円給付案の受け止めを聞いた。最多は「ありがたい」の885人(61%)。「困っている人に絞って増額すべきだ」が273人(19%)、「少なすぎる」が102人(7%)で続いた。「そのほか」は181人(13%)だった。

 回答を選んだ理由も書いてもらった。「ありがたい」を選んだ人では、「収入が減ったから」「いつ仕事を失うか分からないから」といった声が目立つ。

 広島県内に住む50代男性は観光バスの運転手。仕事はほぼなくなった。「歩合制で収入も減ったのに、30万円の給付対象からは外れていた。心底助かる」と受け止める。

 広島市の40代女性は、パートのシフトが減り、2、3割の減収となったのに、子どもの進学で支出が増えたという。「今以上に節約しても現状では赤字になる。正直、ありがたい」と打ち明ける。

 30万円給付案より「分かりやすい」「不公平感が少ない」と歓迎する人も少なくない。広島市の50代女性は「自宅にいる時間が延び、食費や光熱費が増えている家庭がほとんど。あいまいな基準で必要なのにもらえない人が出るより、一律で配った方が良い」と賛同する。

 「困っている人への増額」を求めた人には、限られた財源を有効に使ってほしいという指摘が多い。広島市の60代女性は「富裕層や国会議員、公務員と、フリーランスや閉店せざるを得ない自営業者などを一律にするのは納得いかない」と憤る。自身の仕事もフリーランス。5月は収入ゼロになるという。

 広島市の60代男性も「非正規や低所得者に充てるべきだ」と強調。「迅速な支給のために全員を対象にするのなら、所得税などで調整し、高収入の人からは回収を」と提案する。

 「少なすぎる」を選んだ人は「10万円では焼け石に水」「感染症がいつ終息するか分からないのに…」と訴える。広島県内の30代女性は妊娠8カ月。「感染が不安で産休を前倒して無給の状態。これでは足りない」と不安がる。

 「そのほか」を選んだ人には、当初案では約4兆円だった給付総額が、12兆円超に増えることを問題視する意見もあった。「このツケは増税や国債発行につながるのではないか。素直に喜べない」と広島市の60代女性。広島県内の30代女性は「医療従事者を守るために使ってほしい」と求める。

 政府の判断のもたつきを批判する声も多い。広島市の20代男性は「とにかく遅い。全てが後手後手で危機感が感じられない」。世羅町の70代団体役員男性も「暗い世の中に落ち込まないよう、早く現金給付を」と訴えた。(田中美千子、ラン暁雨) 

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