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自産自消

2020/5/5

 バナナが品薄になっているらしい。夕どきに訪れたスーパーでも売り切れていた。やはりコロナ禍の影響だ。移動制限などで大半を占めるフィリピン産の輸入が滞る半面、巣ごもり消費が増えているためという▲スーパーの売り場を見渡すと、学校の休校などで消費が低迷する牛乳の応援コーナーもある。乳搾りは休めず、行き場を失えば捨てるしかない。毎日牛乳をもう一杯―。農水省もキャンペーンを始めた。地域の酪農家を守るために何とか後押ししたい▲日本の「食」を支えてきた現場が、ウイルスの感染拡大で変調を来しているよう。ここでも重症化を食い止める治療法を見つけなければ▲タイ政府が全国民で野菜を育てる取り組みを始めた、とネットのニュースが伝えていた。収入が減った家計の足しと、食料自給につなげる狙いとか。ロシアやインドは既に穀物の輸出制限に踏み切っている。食料危機への備えも現実味を帯びている▲日本でも家庭菜園への関心が高まる。自宅の庭やベランダで育てるため、野菜の苗を買い求める家族が増えているそうだ。「自産自消」を楽しみながら、6割を輸入に頼る日本の「食」へ思いを深めるきっかけになれば。

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