中国地方の球児や指導者落胆 夏の甲子園中止
夏の甲子園大会と地方大会中止の決定を受け、中国地方の球児や指導者に落胆の声が広がった。県単位で代替大会の開催を望む声も上がった。
昨夏の広島大会で準優勝した尾道は練習後、北須賀俊彰監督が3年生に中止を伝えた。「同じ終わるにしても甲子園を目指すチャンスすらなくなった。今後この経験があったから頑張れたという人生を送ってほしい」と涙ながらに語りかけた。部員の大半が寮生活を送り、3月下旬から短時間の練習を続ける。3年河月琉貴主将は「尾道史上最高の成績を残した昨夏を越えたかった。残念だし、悔しい」と唇をかんだ。「最後に全員で試合をして、野球をしている姿を保護者に見てもらいたい」と率直な思いを語った。
「覚悟はしていた」と受け止めたのは高陽東(広島)の3年宮本奏主将。「大きな目標を失ったけど、2年半で仲間と培ったチームワークを何らかの形で発揮したい。高校で野球をやめる人も多いので先の試合があると信じたい」と代替試合の実現を願った。
昨年に続く甲子園出場を目指していた広島商の荒谷忠勝監督は「一つのゴールがなくなったのは非常にやるせない」と沈痛な表情を浮かべた。代替大会については「いろいろな方々のサポートやご支援がなければできない。ただ、純粋に野球をやらせてあげたいという思いはある」と話した。呉(広島)で2度春の甲子園出場経験がある中村信彦監督は「生徒の方がショックだと思う」と気遣った。「大会に出るだけが目的じゃないと伝えたい。早く部活再開の見通しが立ってほしい」と待ち望んだ。
広島県高野連の板森匡祐理事長は「特に3年生に対して集大成となる独自の大会を提供できれば、と最大限の努力をしたい」とコメント。山口県高野連の東堂昌治理事長は「全国大会を目指してきた球児を思うといたたまれない。近々常任理事会を開き、独自の大会ができるかを検討していきたい」と話した。
岡山県高野連は21日の理事会で県大会の方針を協議する予定。島根、鳥取両県高野連も代替大会の開催を模索している。(西村萌、矢野匡洋、加納優)
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