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【こちら編集局です】「新しいバス生活」模索 「2人席に1人」がマナー?/立つ人増え危険では

2020/5/27
車内を消毒する広島バスの従業員。運転席の後ろの座席は感染拡大防止のため使用を禁じている(撮影・山崎亮)

車内を消毒する広島バスの従業員。運転席の後ろの座席は感染拡大防止のため使用を禁じている(撮影・山崎亮)

 ▽マスク着用「隣り合わせOK」の声も

 「新型コロナウイルスの感染拡大で、路線バスの2人席に1人で座ることが新たなマナーみたいになっている」。通勤でバスを利用する広島市西区の会社員女性(54)から、こんな声が編集局に寄せられた。各地の公共交通機関は一時、利用が大きく落ち込んだが、乗客は徐々に戻りつつある。女性は「車内に立つ人が増えると危険では」と指摘する。流行の第2波が懸念される中、公共交通機関をどう利用すればいいか。

 女性は平日午前7時台のバスで中区の勤務先に向かう。4月中旬以降、学校の臨時休校や広島県の外出自粛要請の影響で車内はがらがらになった。要請解除後、乗客が増え始めても感染リスクを気にしてか、以前のように2人席に2人が座るケースをあまり見掛けなくなったという。

 記者も27日、同じ時間帯に同じ路線バスに乗ってみた。2人席の窓側に座った。後から乗った人は横に座ろうとしない。他の2人席も座るのは1人だけで、多い時で3人が手すりを持って立っていた。折り返しのバスに乗っても同じ状況だった。

 この路線は中高生の通学利用が多い。6月の学校再開で乗客はもっと増える。女性は「知らない人の隣には座りにくい。でも、立っていると転倒事故につながって危険」と悩ましそうだ。

 座るべきか、立つべきか―。この路線を運行する広島バス(中区)の山田幸俊運輸部長(57)に尋ねると「優しく譲り合ってほしい、としか言えない」と困り顔。110社が加盟する県バス協会(東区)の赤木康秀専務理事(61)も「高齢者には座ってほしいが…」と言葉を詰まらせた。

 緊急事態宣言の全面解除を受け、社会経済活動が本格再開に向かう中、各業界団体は感染防止と事業活動の両立に腐心する。日本バス協会(東京)も全国の加盟業者に指針を示した。車内の換気や消毒を徹底する▽運行本数を増やす▽座席の一部を使用禁止にする―などを挙げた。

 ただ、広島バスの山田部長は「増便は車両や乗務員の確保が難しく、採算面でも現実的ではない。座席を減らせば乗客を積み残してしまう」との考えを示す。車内消毒の徹底や、運転席と客席を仕切るビニールシートの設置などに努めるという。

 一方、鉄道各社でつくる鉄道連絡会がまとめた指針には、増便や座席の使用禁止の文言はない。JR西日本広島支社(東区)や広島電鉄(中区)は、換気や消毒を徹底するとする。

 専門家の中には「感染リスクを正しく理解すれば、バスや電車の利用は問題ない」との声もある。京都大ウイルス・再生医科学研究所の宮沢孝幸准教授は、適切な換気▽目、鼻、口を手で触らない▽マスク着用または会話しない―の3点が重要とし、「マスクをしていれば隣り合わせに座っても大丈夫」と言う。

 感染対策として要請される「新しい生活様式」。あらゆる現場で手探りが続くが、最も大切なのは一人一人が「うつさない、うつらない」との意識を持つことだろう。誰もが気持ちよく公共交通機関を利用するには、その実践が鍵になることだけは間違いない。(赤江裕紀) 

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