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【マツダ100年 作品中の名車】反原爆訴える街宣車で登場 映画「黒い雨」の三輪トラック

特集・関連記事2020/5/27
黒い雨の撮影に臨んだ三輪トラックと能宗さん=1988年8月(福山自動車時計博物館提供)

黒い雨の撮影に臨んだ三輪トラックと能宗さん=1988年8月(福山自動車時計博物館提供)

 ▽福山の博物館長が協力 
 
 原作は福山市出身の作家井伏鱒二の小説。今村昌平監督が1989年、全編モノクロで広島の原爆の惨状や被爆者の苦悩を表現した。戦後の一場面に「バタンコ」と呼ばれたマツダの三輪トラックが登場する。福山自動車時計博物館(福山市)の能宗孝館長(76)のコレクションだ。運転手役で自らも出演した。

 登場した場面は、原爆投下から5年後の福山市。ロケは浅口市であり、原爆反対集会を知らせる街宣車として、主演の田中好子さんの前を横切った。博物館を開く前年の88年夏、協力を求められた。「限られた予算で作り上げる現場に映画の原点を見た。自分の博物館に通じるものがあった」と振り返る。

 この車は東洋工業時代のGA型マツダ号。愛称の「グリーン・パネル」には「青春・平和・安全」との意味が込められた。被爆の4カ月後に生産を再開し、戦後の復興や経済発展を支えた車でもある。戦争の傷を引きずり、懸命に生きる人々を描いた作品にふさわしい一台だ。

 能宗さんの父親はバタンコを家具店の配送に使っていた。「広島を走る三輪トラックといえばマツダだった」。撮影に使った車は館内に展示し、通常は来館者が触れられるようにしている。(村上和生)

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