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≪新型コロナ≫学校再開 子らへの目配り丁寧に

2020/6/2

 新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、長期間の休校を余儀なくされていた各地の学校がきのう再開された。

 授業や給食、部活動などさまざまな場面で感染を防ぐ対策が欠かせず、学びの風景は大きく変わった。学校現場には学習の遅れを取り戻すことはもちろん、児童生徒の心のケアも求められる。一日も早く安心して学習に打ち込める環境を整えなければならない。

 長いところでは、前年度から春休みを挟んで約3カ月間休校していた学校もある。異例の事態が子どもに与えた影響は小さくないはずだ。

 外出自粛で多くの時間を家庭に閉じこもっていた。1人で勉強する不安や、友人と会えない寂しさを抱えて過ごした子どもたちの心身の状態が心配だ。

 長く休んでいたため、学校に行くこと自体に心理的な負担を感じる子どももいるだろう。

 しかも今回は進学や進級の時期とも重なり、まったく新しい環境に飛び込んでいく子どもも少なくないだろう。生活が急に変わって体調を崩したり、大きなストレスを抱え込んだりする子どもも出てくるはずだ。

 夏休み明けには不登校や自殺が増える傾向にある。学校は家庭と連携を深め、個々の子どもの体調や心理状態の変化に丁寧に目配りし、きめ細かく対応していかなければならない。

 休校に伴って、多い学校では約200時間分の授業が失われたとされる。学習の遅れを取り戻すことが大きな課題となる。

 授業時間を確保するため、広島市教委は夏休みを16日間に、冬休みを10日間にそれぞれ短縮することを決めた。運動会や文化祭など各種行事を中止したり、放課後や土曜日に授業を開いたりする学校もある。

 ただ、学習の遅れを取り戻そうとするあまり、カリキュラムを詰め込みすぎると、児童や生徒だけでなく教師の負担も大きくなる。

 休校中は、家庭に学習が委ねられていたため、子どもたちの取り組みや理解度にばらつきが出ている可能性もある。ついて行けない子どもが出ないよう、学校には従来以上にきめ細かな指導が求められる。

 文部科学省は、小中高の最終学年以外は、予定していた学習を年度内に終えられない場合、次の学年に持ち越して遅れを挽回することを認める考えだ。

 授業を詰め込むばかりでは、息が詰まりかねない。さまざまな行事を含めて、子ども本位の発想で学びの在り方を考えたい。追い立てられるような学校生活にしてはならない。

 学校再開後には、できる限り「3密」を避けることが重要だと文科省は強調している。消毒や検温、マスクの着用を徹底し、席の間隔を空けて子ども同士の距離を保つ。給食時も子どもたちの机を寄せ合わせないようにする。

 だが集団生活の場から、完全に子どもたちが密集する場面をなくすことは難しい。ひと足早く5月25日に再開した北九州市内の小中学校では、第2波とみられる感染拡大で、児童や生徒に感染が相次いでいる。

 感染が広がれば、再び休校になる恐れもある。第2波に備え、政府は1人1台のパソコン配備など、オンライン授業の準備も急ぐべきだ。 

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