河井克行元法相発言録〜青年期から<中>

2020/6/18


 「日本人は政治家の腐敗を目にしてもあきらめてしまう」。青年期から政治に対する思いを語っていた河井克行元法相。28歳で広島県議となり、政界に入った後も「改革」の必要性を訴え続けた。公選法違反(買収)の疑いで逮捕されるまでの歩みを発言で振り返る。

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▽2004年5月、41歳
「かつて自民党が批判を浴びた強権性や密室性のにおいがする古い体質の政治家だ。その人が改革を標ぼうする政党のトップに就任するのは、歴史の皮肉。国民は受け入れないだろう」

 民主党(当時)の小沢一郎氏が代表就任要請を受諾したことについて。


▽2004年12月、41歳
「対人地雷は今も子どもや女性の命を脅かし、市民にとって心理的な距離が近い兵器。
 地雷をなくす運動の延長線上に核兵器廃絶もあるのだと思っている」

 約2カ月前に外務政務官に就任。政府代表としてケニアであった対人地雷禁止条約の初の検討会議の参加を振り返って。


▽2005年8月、42歳

改革か、停滞か。日本の繁栄を考える候補か、既得権益を守る候補か。郵政民営化はあらゆる改革の突破口。頓挫すればほかの改革もすべて水泡に帰す」

 郵政民営化を掲げた「小泉改革」の賛否を問う衆院選での第一声。
 コスタリカ方式で選挙区から立候補し、当選した(写真、隣は妻の案里議員)。




▽2007年8月、44歳
「治安の確立などのさまざまな政策課題の実現に全力を尽くす」

 第1次安倍改造内閣で法務副大臣に就任して。
 

▽2009年5月、46歳
「世襲制限はやって当然、やらないと大変。自民党はこれくらいの自己変革もできないのかと疑われる。もたもたするほど政治家の自己保身だと見なされる

 国会議員の世襲制限などを検討した有志議員の勉強会で。


▽2009年9月、46歳
党は今、生まれ変われるかどうかが問われている。時間はない

 同年8月の衆院選で自民党が大敗し、民主党(当時)を中心とした政権交代が実現。自身はコスタリカ方式によって比例で立候補し当選した。選挙後の自民党両院議員総会にて。


▽2009年9月、46歳

政権奪還への第1日。しっかり反転攻勢させてもらう。政権交代という言葉に力を与えたのは自民党側の問題だ

 総選挙後に召集された特別国会で。
 この日、民主党(当時)の鳩山内閣が発足した。 
 
※2009年10月の臨時国会で民主党の鳩山首相の所信表明を憮然とした表情で聞く河井前法相(下右端)



▽2010年1月、46歳

企業で言えば自民党は昨年の衆院選で倒産した。首相経験者たち旧経営陣は全員が責任をとり引退してほしい。能力や経験は関係ない。政治家は過去の実績よりこれから何をやるかで判断される」

 間近に控えた自民党の党大会に向けて。

※2010年1月、選挙区の北広島町で出初め式に出席する河井前法相(右端)



▽2010年6月、47歳
「敵失をつくだけではだめ。自民党もあり方が問われている。謙虚に考えなければ」

 民主党(当時)の菅直人新首相の誕生を受けて。


▽2010年11月、47歳
「辞任は遅きに失した。今の政権、政治が何も決められないありようが一段と明らかになった。菅首相は任命した責任だけでなく、擁護し続けた責任もある。民主党政権の終わりの始まりだ

 柳田稔法相が国会答弁に関し「法務大臣はいい。二つ覚えておけばいいから」と発言し、その結果、辞任したことを受けて。


▽2011年9月、48歳
「具体論がない。国の針路は何も示されなかった」

 野田佳彦首相の所信表明演説に対して。


▽2012年4月、49歳
「宇宙のさまざまな星々の皆さんと話をする中で、党は違えど志を共有できる仲間がいることが分かった」

 東京都内で開いたパーティーで、自らをハレー彗星に例え、党派を超えた連携に期待感を示した。初当選の1996年から所属していた額賀派を前年離脱し、無派閥となった。超党派議員でつくる「日本を根っこから変える保守の会」の事務局長を務める。


▽2012年12月、49歳
いい人だとか悪い人だとかはどうでもいい。国家国民、地域のために結果を残した人が政治家として後世評価される。派閥の推薦を受けない安倍晋三総裁の就任で党は変わった」

 衆院選での取材に対して。選挙では民主党現職を破り、5度目の当選を果たした。


▽2013年4月、50歳

沖縄問題の解決に尽くさずして日本の外交安全保障の立て直しを語る資格はない。普天間返還を実現したい」

 東京都内で開いた自身のパーティーで沖縄問題に取り組む決意を披露。      
 衆院外務委員長に就任後、沖縄県へ何度も足を運んだ。


※同年12月の中国新聞のインタビューで沖縄問題について語る河井前法相

▽2014年12月、51歳
「生活、国、地域を良くしてほしいという1票に込められた切実な思いに応える」

 衆院選で広島3区から立候補し、6選を果たして。


▽2015年9月、52歳
「派閥の力学で総裁が決まる時代に逆戻りしてもいいのか。今回は、脱派閥や政治改革の一つの帰結と言える」

 安倍晋三首相が自民党総裁に再選されたことを評価して。


▽2016年11月、53歳
安倍首相は会談前に、地ならしとして私を派遣した。トランプ氏とその周辺は日米同盟の重要性を認識している

 米国の次期大統領にトランプ氏が決まったことを受け、首相補佐官として安倍首相に先駆けて米国を訪れた。政権移行チーム幹部たちと会談したことを受け。


▽2017年10月、54歳

官邸の中枢に入れていただき、政治家として光栄。やりがいがあった

 衆院広島3区から立候補。首相補佐官に起用されるなど安倍首相の側近として活動した6期目を振り返って。尊敬する政治家として安倍首相の名を挙げ「格が違う」とも。選挙では7選を決める。


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