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パリのカフェ再開

2020/6/16

 生涯最大の冷や汗体験を挙げるとすればパリの道端カフェだろうか。注文しようにもフランス語はさっぱり。飲み物代金をテーブルに置き、さっそうと去りたいが、チップは幾ら? おつりも欲しい…。周りをきょろきょろした揚げ句、長居する羽目に▲かの国のマクロン大統領も、内心は冷や汗に違いない。何とかコロナを抑え込んで「最初の勝利だ」とテレビ演説し、首都のカフェやレストランの営業を全面解禁した。それでも「闘いはまだ終わっていない」。第2波への警戒を国民に呼び掛けた▲国境をまたぐ人の行き来も欧州連合(EU)内に限るとはいえ緩和されつつある。街角を曲がるたびに出くわすパリのカフェも程なく、にぎわいを取り戻すだろう▲何しろカフェと言えばパリ、なのだから。連れと議論する、あるいは道行く人々を眺めて物思いにふける。絵画も音楽も文学も哲学も、芸術の都が育んだ名作の数々にカフェという場と時間が凝縮されていると感じる▲「パリで全て決めるのはおかしい」。大統領は中央集権構造を見直し地方に自由と責任を与えるとも語ったそうだ。間もなくの統一地方選を意識した発言らしいがカフェで論議を呼びそう。 

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