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ギフトには「毒」の意味も

2020/7/3

 外出自粛は解けたものの、今しばらく旅行は控えよう。そう考える向きが多いようだ。今夏の中元ギフト商戦は、家に居ながら各地の名産を味わえるご当地グルメが例年にも増して人気らしい。贈答ついでに自分用に注文する人もいるとか▲故金田一春彦氏によると、日本語には贈り物の呼び名が多いという。お祝い、お見舞い、お礼、お歳暮、お餞別(せんべつ)、お土産、そしてお中元…。確かに、のしに添える言葉は幾つもある。問題は中身だ。相手が何を喜ぶか▲決めかねたら商品券があり、最後の最後には現金もある。とはいえ、いかにも生々しく、素直に受け取ってもらえるかどうか。贈る側の不安は尽きまい▲94人に現金を配った疑いで逮捕された広島の国会議員夫妻。相手のポケットに封筒をねじ込んだ場面もあったという。その強引さは、キャッシュで相手が喜ぶと信じたためか、それとも不安の裏返しなのか。94人以外に現金を贈った疑いも出てきた▲英語のギフトは贈り物と並んで「天賦の才能」という意味でも使われる。ところが、ドイツ語になると専ら「毒」を指す言葉に。受け取った県内市長らの辞職ドミノをみるにつけ、さもありなんと思えてならない。

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