コラム・連載・特集

【月刊E・7月号】よい経済学と悪い経済学

2020/7/13 7:00

 弊紙朝刊のコラムで先日、「世代論は好きじゃない」などと私情をつづった。シラケ世代の一員としての長年の恨みつらみであり、「東京タワー世代」とのネーミングを最近知って単純にうれしがっているという、たわいない内容でもあった。

 申し訳なさついでにもう一つ、わが嫌いなものについて、ここで言わせていただきたい。それは、何でもかんでも物事を二つに分類したがる「二分論」である。

 「勝ち組か、負け組か。人生は誰だって、そのどちらかだ」。そんな極端な例を挙げれば、その傲慢(ごうまん)さ、いやらしさはあらためて説明するまでもなかろう。

 それは、自分とは異質なものを認めないばかりか、排除さえしようとする「非寛容の時代」「分断社会」を象徴する物言いだ。

 一方で思う。この複雑で多様化した時代に、何事であれスパッと割り切って考えることができたら、どんなにか楽だろう。

 そして再び考え込む。「米国民は大統領になれるか、なれないかのどちらか」とはまさに真理であって、何でも自己流の二分論に持ち込むかのようなトランプ氏がどうして大統領になれたのだろう?
(ここまで 464文字/記事全文 1552文字)

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  • 昨年のノーベル経済学賞を受賞した夫妻の共著「絶望を希望に変える経済学」
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