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米GDPは7月に動く?

2020/8/1

 7年前のきのう、米国の国内総生産すなわちGDPは、その前日に比べ一挙に4千億ドルも膨らんだ。当時の為替レートで約40兆円は、最貧国から数えて世界90カ国の総額に匹敵したという。いったい、一夜のうちに何が起きたのか▲からくりは単純だった。例えば新薬や新車の開発のために企業が投じる調査研究費を、設備投資に含めることにしたのである。実態に合わせた単なる統計手法の変更であって、それで国民の蓄えが殖えたわけではない▲7月末は何やら因縁めく。きのうの本紙は「最悪」との見出しで報じた。4〜6月期の米GDPがコロナ禍のため、年率に換算して33%近くもダウンしたという衝撃のニュース。失業者も急増している▲それでも想定の範囲内だったらしく、かの国の株式市場はさほど下落していない。富を持つ者の懐は結局、持たざる者ほどには痛んでいないのだろう。格差とはこうして拡大するものか▲4・5%のマイナス成長とは少々、楽観が過ぎるのでは。今なお感染拡大は続いているのに…。きのうの同じ紙面には、わが政府による本年度のGDP見通しが載った。数字の背後に潜む貧困や格差の実態も、軽んじてもらっては困る。 

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