コラム・連載・特集

【ヒロシマの空白 被爆75年】大正屋呉服店の反物確認 平和公園レストハウス前身、広島の医師保管

2020/8/3 22:55
大正屋呉服店の反物や浴衣。反物を包む畳紙に「天野様 若狭」と筆で書かれている(撮影・河合佑樹)

大正屋呉服店の反物や浴衣。反物を包む畳紙に「天野様 若狭」と筆で書かれている(撮影・河合佑樹)

 平和記念公園(広島市中区)の被爆建物レストハウスの前身「大正屋呉服店」で買われた反物2枚と浴衣3着が現存することが3日、分かった。原爆資料館によると、同店の反物はこれまで確認されたことがないという。

 いずれも医師の天野友直さん(94)=西区=が自宅で保管している。黒染めの反物は男性用で「大正屋呉服店」と印刷された畳紙(たとうし)に包んである。筆書きされた「若狭」は、店の支配人だった故若狭金治郎さんの名前。浴衣は女性用1枚と男性用2枚で、値札も残る未使用品だ。うち1着には、価格統制品であることを示す1938年8月付のマークが付いている。

 大正屋呉服店は12年に開業し、29年に店舗を新築。太平洋戦争中の繊維統制令で43年に廃業した。被爆時は燃料会館で、爆心地から170メートルの至近ながらコンクリート建築は残った。原爆資料館学芸課の菊楽忍さんは「原爆による焼失などで商品の現存は少なく、反物は見たことがない。保存状態も良好で、店のにぎわいが伝わる貴重な資料」と話す。(新山京子)

関連記事「【ヒロシマの空白 被爆75年】姉との日々、反物越しに 天野さん「大切に子と孫へ」」

  • 前の記事へ
  • 次の記事へ

 あなたにおすすめの記事

ヒロシマの空白の最新記事
一覧