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お盆ウィズコロナ

2020/8/9

 赤や黄、紫、金色が花店の店先を埋め尽くしている。新種の花というのではない。広島では古くから見慣れた盆灯籠である。市内でも寺の多い町で見掛けた光景。墓参りの人たちが立ち寄り、買い求めていく▲カラフルな灯籠には、盆に戻ってくるご先祖様を迎える意味もあるだろう。だがことしは墓参りもしようと古里に戻りたい人が戻れない。コロナが邪魔立てする。老いた親に「うつしたら大変」と帰省をためらわせる▲迷った末に断念した人が多いようだ。例年は満員になる新幹線も空席が目立つ。密閉空間になる列車を避けたい心理も働いたか。3密を避けてマイカー帰省を選ぶ人は少なくなさそう。他県ナンバーを目にすることが増えた▲今、墓参り代行サービスが人気という。実家の墓が気になる人に代わって、草刈りや掃除、花やお供えまで。昨年までは地元の高齢者の利用が多かった。この夏はコロナの感染拡大もあり、遠方からの依頼が急増した▲墓前で中継してくれるオンライン墓参りサービスも。スマホの画面越しに手を合わせられる。やぶ蚊にも刺されず、快適なはず。何となく後ろめたさを覚えそうだが、大事なのはご先祖様を思う心である。 

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