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【激震 前法相夫妻公判】公示前チラシ、違法認識 案里被告秘書「これまでにない規模」

2020/9/4 23:03
東京地裁

東京地裁

 昨年7月の参院選広島選挙区の大規模買収事件で、公選法違反罪に問われた前法相の河井克行被告(57)=衆院広島3区=と妻の案里被告(46)=参院広島=の第6回公判が4日、東京地裁で開かれ、案里被告の前田智代栄公設第1秘書の証人尋問があった。参院選の公示前に配ったポスターやチラシなどの印刷物について「これまでの選挙ではない規模で、集票のお願いだった。心の中では違法と思っていた」と証言した。

 前田秘書は、安倍晋三首相と案里被告が写った2連ポスターや自民党の広報紙、後援会入会申込書などを1セットにして広島県内の企業や地方議員に公示前に配ったとし「紙袋にどっさりと入れて持ち歩いた。これまでは政策チラシ1枚だけで、異例だった」と強調。「(昨年3月の)党公認から(同7月の)投開票日までの期間が非常に短く、投票のとりまとめを依頼する選挙活動の意味だった」と述べた。

 前田秘書は公示前から、克行被告の地盤の衆院広島3区外の企業や議員を回っていた。訪問先は克行被告の指示で決まり「(克行被告は)心配性で、報告が遅れると電話があった」と説明。克行被告を選挙運動の総括主宰者と主張する検察側に沿った証言となった。昨年4月下旬に広島市中区に設けた案里被告の事務所については「公示前から事務所の中では選挙事務所と呼んでいた」と明かした。

 一方、大量の配布物の費用面への言及はなかった。参院選では、自民党本部が現職の溝手顕正氏の10倍となる計1億5千万円を両被告側に提供。使途の詳細は判明していない。

【詳報・第6回公判】
 秘書証言<1>後援会、学区ごとが(克行被告の)要望
 秘書証言<2>選挙はがきやポスター、投票につなげる活動
 秘書証言<3>(選挙違反の認識)心の中ではありました
 秘書証言<4>克行・案里先生の指示、できるだけかなえたい
 秘書証言<5>明らかに選挙が近いという意義込めていた

【初公判からの全詳報】買収事件の公判記録


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