PC解析は克行被告指示、業者に持ち込む 広島地裁公判、元秘書が証言
衆院議員の河井克行被告(57)=公選法違反罪で公判中=の妻案里被告(47)=同=が初当選した昨年7月の参院選広島選挙区で、違法な報酬を車上運動員14人に払ったとして同法違反(買収)の罪に問われた克行被告の元政策秘書高谷真介被告(44)=東京都葛飾区=の第6回公判が30日、広島地裁であった。高谷被告は、昨年10月に違法報酬疑惑を報じられた後、克行被告の指示でパソコンを専門業者に持ち込んだと証言した。
高谷被告は検察側の被告人質問で、会計担当者のパソコンを解析のために専門業者に渡したとし「克行被告から依頼を受けた」と述べた。その他のパソコンについてもデータ消去のために業者に持ち込んだかどうかを問われると「知りません」と答えた。
車上運動員の報酬に関しては「法に触れないようにやりくりするのが大前提」と強調。「(法定上限の2倍の)1人1日3万円ではなく、午前と午後で人を分け、事務所として1日の支払いが3万円」と認識していたとし、金額決定への関与をあらためて否定した。
起訴状などによると、高谷被告は政策秘書だった昨年7月19〜23日、案里被告の公設第2秘書立道浩被告(55)=同罪で懲役1年6月、執行猶予5年の判決を受けて上告=らと共謀し、車上運動員14人にそれぞれ1日3万円を支払い、法定を超える報酬計204万円を渡した疑い。起訴内容を否認し無罪を訴えている。
第6回公判(9月30日) 弁護側被告人質問 「1日1人3万円」じゃなく「1日3万円」
検察側被告人質問 「パソコン解析は克行代議士の依頼」
第5回公判(9月1日) 弁護側被告人質問 「遊説業務、管理していない」
第4回公判(8月5日) 案里被告秘書の証人尋問、「よく覚えていない」繰り返す
第3回公判(7月20日) 報酬決定の権限「克行代議士」
第2回公判(6月30日) 車上運動員の仲介役、証言
第1回公判(6月12日) 起訴内容を否認、無罪主張
【関連記事】
河井案里被告(47)が初当選した2019年7月の参院選広島選挙区の大規模買収事件で、公選法違反罪に問われた夫で元法相の克行被告(57)=衆院広島3区=の第31回公判が22日、東京地裁であった。福山市...
「当然の判決」「早く辞職すべきだ」。参院選広島選挙区を巡る大規模買収事件で、河井案里被告が東京地裁に有罪判決を言い渡された21日、広島県内の有権者から厳しい批判の声が相次いだ。判決では、現金を受け取...
▽確定で議員失職 2019年7月の参院選広島選挙区の大規模買収事件で公選法違反罪に問われた河井案里被告(47)=参院広島=の判決公判で21日、東京地裁の高橋康明裁判長は懲役1年4月、執行猶予5年、公...
「民主主義の根幹である選挙の公正を害する犯行。刑事責任は重い」。2019年夏の参院選広島選挙区の大規模買収事件で河井案里被告(47)=参院広島=に有罪判決が言い渡された21日、案里被告に強気の表情は...
大規模買収事件で有罪判決を受けた河井案里被告(47)による買収対象に認定された広島県議4人は21日、1人が反省の弁を述べた一方、司法判断への言及を避ける姿勢が目立った。議員辞職する意向を示した県議は...