検察側、克行被告の証人尋問検討 河井夫妻買収事件、案里被告の公判
昨年7月の参院選広島選挙区の大規模買収事件で公選法違反罪に問われた河井案里被告(47)=参院広島=の第14回公判が1日、東京地裁であった。検察側は、元法相で夫の克行被告(57)=衆院広島3区=を案里被告の公判の証人として尋問することを検討していると明らかにした。自民党の広島市議が克行被告からの現金授受場面を録音した音声を証拠として法廷で流したい考えも示した。
9月に弁護人を解任した克行被告の公判は中断しており、案里被告の公判が先行して進む。検察側が139人を申請した証人尋問は大幅に絞り込まれる見込みで、審理は早まる公算が大きい。案里被告の弁護人は「年内には結審すると思う」との見通しを示した。
この日の公判では今後の日程を協議。検察側は、克行被告から2回にわたり計50万円を受け取ったとされる自民党の海徳裕志広島市議(60)=安佐南区=ら計5人の証人採用を求め、「克行被告の証人尋問の請求を検討中」とも述べた。
検察によると、海徳市議は昨年6月に克行被告から2回目の20万円を自身の事務所で受け取った際のやりとりを録音していたという。海徳市議は中国新聞の取材に「詳細は裁判で明らかにしたい」と語った。
ほかの4人は、克行被告から30万円を受け取り、案里被告に返金を拒まれて受け取ったとされる自民党の高山博州広島県議(67)ら。弁護側は「いずれも案里被告との関連性に乏しい」と反論した。地裁は2日の公判で採用の可否を決める。関係者によると大半が認められる公算が大きい。
案里被告の公判ではこれまで地方議員や秘書ら13人の証人尋問を終え、2〜7日に自民党の岡崎哲夫広島県議(65)ら3人の尋問を予定する。検察側がこの日の公判で言及した5人と、検討中の克行被告が採用されれば、証人尋問は計21人となる。その後に被告人質問などを経て、結審となる見込みだ。
起訴状によると、案里被告は克行被告と共謀して地方議員5人に計170万円を渡し、克行被告はこの5人を含む100人に2901万円を渡したとされる。2人とも買収の意図を否定し、無罪を訴えている。克行被告の審理再開のめどは立っていない。
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