【激震 元法相夫妻公判】案里被告秘書から10万円 江田島市議「投票依頼の趣旨」
▽事務所ぐるみ鮮明に
昨年7月の参院選広島選挙区の大規模買収事件で、公選法違反罪に問われた河井案里被告(47)=参院広島=の第16回公判が5日、東京地裁であり、胡子雅信江田島市議(50)が検察側の証人として出廷した。案里被告の公設秘書から10万円を受け取ったと認め、「投票依頼の趣旨と思った」と証言。案里被告への投票の呼び掛けをしていたことも明らかにした。
同事件の公判ではこれまで地方議員ら9人が現金授受を認めているが、秘書から受領したとの証言は初めて。事務所ぐるみの実態が浮き彫りになった。
胡子市議によると、昨年6月10日に秘書から「地域の行事がないか」と言われ、父親が同16日に開くカラオケ大会を紹介。当日は約150人が集まり、案里被告も参加して演歌を熱唱した。案里被告の帰り際に秘書が「先生からです」と10万円入りの封筒を渡してきたという。
「先生」について胡子市議は、案里被告か夫の克行被告(57)=衆院広島3区、または両人と思ったと説明。現金の趣旨は「カラオケ大会のお礼にしてはあまりにも額が大きい。投票の取りまとめや知人への投票依頼と思った」と述べた。
昨年7月4日の参院選公示前には江田島市内の漁協組合長と同席した場で、秘書から案里被告のポスター掲示と選挙カーの先導を頼まれたが、地元では自民党現職だった溝手顕正氏を支援する市議が多く、組合長が断ったという。一方で胡子市議は投開票日前日の同20日午後11時半ごろ、会員制交流サイト(SNS)に「同世代として応援したい」と書き込み、案里被告への投票を呼び掛けた。
返金しなかった理由は「克行被告は安倍(晋三前)総理の側近と言われていた。返すと角が立つと思った」と強調。10万円は後援会活動などに使ったと語った。8月に市議会から辞職勧告決議を受けたが、「司法の判断を待って進退を決めたい」と話した。
検察側の冒頭陳述によると、克行被告が胡子市議への現金提供を秘書に指示し、案里被告も了承していたとされる。
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