コラム・連載・特集

付き添い犬

2020/10/8 6:33

 コロナ禍の自粛生活をきっかけに、犬や猫を飼い始める人が増えていると聞いた。いまだに鬱屈(うっくつ)とした日々が続いているだけに、ペットに癒やしを求めたい気持ちも分からないではない▲中でも犬には人の心の痛みを察知する力に優れていることが近年の研究で分かってきた。感情の移り変わりを、人が発するホルモンの変化から嗅ぎ分けるそうだ。飼い主の不安やストレスを感じ取って、寄り添ってくれる。それが癒やしにつながる▲そんな犬の力はさまざまな場面で人の暮らしを支えてもいる。盲導犬や介助犬に加え、病に苦しむ患者を励ますセラピードッグもいる。虐待などで心に傷を負った子どものケアに、犬とのふれあいを生かす試みも始まっている▲子どもがつらい体験を誰かに伝えようとすると、強いストレスを伴う。気持ちが少しでも安らぐよう、訓練されたのが付き添い犬だ。ある虐待事件で7月、被害を受けた女児が付き添い犬を連れだって初めて法廷で証言した。「いてくれて良かった」。女児の言葉が心に染み入る▲コロナ禍はまた子どもが虐待を受ける機会を増やしているとの指摘も。大人のイライラを鎮めるのに、犬の力を生かせないものか。

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