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「Go To イート」の抜け道

2020/10/9 7:02

 コロナの大きな波がやって来た4月頃。常連客たちが前払い制でチケットを買って「今は行けなくても、いつか」と飲食店のあるじを励ましていた。「持ち帰り」も定着した感があろう▲こうした知恵や工夫を本欄で取り上げて、はや半年がたつ。今は「Go To イート」なる官製の支援策もお目見え。業界の皆さんも一息ついたかなと思っていたら「ポイント狙い」の裏技に困り果てる例が見える▲決められたサイトから予約したお客は、昼食で500円分、夕食で千円分のポイントの恩恵にあずかる。ところが焼き鳥1本で差額をせしめる客が現れた▲298円均一をPRしてきたチェーンでは、傘下の店をはしごしてまで差額をためる「錬金術」がネット上で話題に。これでは、ほかのお客に迷惑だと「お席のみのご予約」を恩恵の対象から外し、コース料理だけにした。さすがに政府も腰を上げ、仕組みの一部を見直すという▲どうあっても金(きん)は合成できないのに、それに挑んで人生を棒に振った人たちを錬金術師と呼んだ。中世欧州の話だが、令和日本の錬金術はいかにもちっちゃい。ふらっと立ち寄り、懐と相談しつつ、ささっと帰るのが今は一番である。

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