【激震 元法相夫妻公判】30万円の返却拒まれる 高山県議証言、初のビデオリンク
大規模買収事件で公選法違反罪に問われた河井案里被告(47)=参院広島=の公判で13日、ビデオリンク方式による証人尋問が初めて実施された。東京地裁と広島地裁をつなぐモニターを通じて、自民党の高山博州広島県議(67)=尾道市=が証言。案里被告の夫の克行被告(57)=衆院広島3区=から30万円を渡され、返そうとしたが、両被告に拒まれたなどと説明した。
大型、小型のモニターが設置され、高性能カメラが撮影する東京地裁の法廷。広島地裁の一室で尋問に臨む高山県議の姿がモニターに映し出されると、高橋康明裁判長が名前を確認。検察官、弁護人の順で尋問が始まり、高山県議はモニターで検察官や弁護人の様子を見ながら質問に答え、その映像と音声が東京地裁の法廷に流れ、案里被告もモニターを見つめていた。
高山県議の証言によると、6選を果たした県議選後の昨年4月20日、尾道市の事務所を克行被告が訪問。「当選おめでとうございます」と封筒を差し出した。高山県議は何度も押し返したが、克行被告は置いて帰ったという。
封筒には30万円が入っており、高山県議は「選挙の協力のお願いと思った」と違法性を認めた。同5月24日に事務所へ来た案里被告に「封筒を持って帰って」と求めたが、案里被告は「(克行被告と)人格が違うから受け取れない」と拒否。高山県議が案里被告のバッグに封筒を入れたが、案里被告は机に封筒を置いて出て行ったという。30万円は、検察当局による同事件の捜査が本格化していた今年4月に現金書留で返却。高山県議は「大きい失敗をした。反省している」と述べた。
尋問中に音声が途切れ、検察官から「聞こえますか」と問われる場面もあったが、尋問は約1時間で終わった。高山県議は中国新聞の取材に「検察官や弁護人の質問はよく聞こえ、違和感なく答えることができた」と振り返った。
ビデオリンク方式での証人尋問は2018年6月に導入され、健康状態などで出廷が困難な場合などに認められる。関係者によると、今回は東京地裁が新型コロナウイルスの影響や証人の年齢を考慮。検察側は克行被告の公判で約40人の証人尋問にビデオリンクを活用したい方針という。
【詳報・案里被告第18回公判】(10月13日)
高山県議証言<1>知事選で(案里被告)応援した
高山県議証言<2>「もらう筋合いない」と押し返した
高山県議証言<3>(案里被告が)「人格違うから受け取れません」
高山県議証言<4>弁護士の名前で書留で返した
高山県議証言<5>(案里被告とは)窮屈に考える仲じゃないので
高山県議証言<6>「頼むから持って帰ってください」と頼んだ
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