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危うい「スタンド・バイ」

2020/10/21 6:47

 「ご清聴ありがとうございました」と講演を締める人は多い。聴衆に敬意を表する常套句(じょうとうく)だが、「ご静聴」だと微妙である。「ご静粛に」とたしなめるのに似ているからか▲海の向こうの大統領選は、ご静粛に―と告げても聞かない人物が大手を振っている。そこで候補討論会の主催者は、各テーマの冒頭の2分間、話し手でない候補のマイクの音声を切ることにした。これまではトランプ氏がバイデン氏の発言を邪魔し、どうしようもないからである▲討論会ではこんな一幕も。極右団体を名指しし「一度引いて待機せよ」と言い放つ。その団体は喜んですぐ「STAND BY(待機せよ)」のロゴ入りTシャツを作ったという▲劣勢が伝えられるトランプ氏は支持者の前だと、逆にあおられるのか、発言は暴言というしかない。ミシガン州ではコロナ対策を厳しく進める政敵、民主党の知事を「投獄しろ」と、支持者が大合唱。トランプ氏も「全員投獄しろ」と応じてしまう▲敗れたら祖国を去らないといけなくなると最近、彼は冗談めかして述べた。ご自由に、と言いたいが、あの「STAND BY」ばかりは取り消さないと、南北戦争にも例えられる混迷は続く。 

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