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決別 金権政治

被買収者の辞職・処分求める声続々 読者100人超から反響【決別 金権政治】

2020/10/30 23:00
被買収者とされる議員が13人いる広島県議会の議場(背景)と被買収者の問題を掘り下げた連載紙面のコラージュ

被買収者とされる議員が13人いる広島県議会の議場(背景)と被買収者の問題を掘り下げた連載紙面のコラージュ

 ▽不問「あしき前例」/けじめつけ出直せ

 参院選広島選挙区を巡る大規模買収事件を機に、政治とカネの問題を考える連載「決別 金権政治」の第2部では、元法相の河井克行(57)=衆院広島3区=と妻案里(47)=参院広島=の両被告から現金を受け取ったとされる「被買収者」の問題を掘り下げた。無料通信アプリLINE(ライン)で意見や情報を募ると、100人を超える読者から反響があった。現金を受領した政治家の辞職や刑事処分を求める意見が多く、あしき慣行と決別するための提案も寄せられた。

 被買収者は広島県内の100人とされ、うち40人は地方議員や首長などの政治家。公選法では被買収者も罪に問われるが、捜査関係者によると、検察側は刑事責任を問わない方針という。40人のうち、三原市長や安芸高田市議などを務めていた8人が辞職した。

 広島市西区の会社員加藤友行さん(61)は「けじめをつけ、出直すのが常識だ」と強調。安芸区の主婦山本恵美子さん(68)は、検察の処分がなければ続投する考えの議員がいることに触れ「有権者をばかにしている。次世代のためにも許してはいけない」と訴えた。

 被買収者を不問に付す検察の方針については東区の自営業男性(57)が「『あしき前例』になるのではないか」と疑問視。東広島市の会社員男性(57)は「現金を受け取った議員が職にとどまり、金権体質が残ってしまう」と懸念する。

 議員に説明責任を求める声もあった。呉市の主婦(70)は「なぜ現金を受け取ったのかをはっきり県民に釈明してほしい」と要請。広島市東区の団体職員吉川真理さん(65)は「汚い金を受け取った議員全員が説明責任を果たし、潔く進退を決めてもらわなければ県民は納得できない」と憤る。

 県内では2006年、故藤田雄山前知事の知事選で陣営が当時の県議らに「対策費」を配ったとされる買収疑惑が浮上。これを教訓に県議会は、議員の行動規範を定めた「政治倫理条例」を制定した。条例違反の疑いがある場合、実態を調べる審査会を設置できるとも規定している。

 河井夫妻から現金を受け取ったとされる県議は13人に上るが、県議会は今も審査会を設置していない。安芸区の無職男性(73)は「県議に当事者意識がなく、条例が機能していない」と指摘。佐伯区の主婦(54)は「国民の政治不信を招いているという自覚のなさに失望している」とつづった。

 「金権政治」との決別に向けた提案も寄せられた。東広島市の佐野健二さん(78)は「次回の選挙のポスターには、今回の金権選挙に関わったかどうかが分かる表示をするべきだ」。広島市中区の竹内伸行さん(72)は「頭が古い年寄りの議員が多過ぎる。議会にも定年制を」と求めた。

 「前知事時代から変わっていない。関係者は辞職し再選挙をする必要がある。早くバトンタッチしてほしい」と訴えたのは東区の会社員品川徹次さん(64)。福山市の会社員男性(60)は「もっと厳しい目で選挙に臨むべきだ。それが有権者の使命だ」と投げ掛けた。

 <クリック>参院選広島選挙区の大規模買収事件 河井克行被告は昨年3〜8月、同7月の参院選で妻の案里被告を当選させるため、地方議員ら100人に票の取りまとめなどを依頼して計2901万円を渡し、うち5人については案里被告と共謀して計170万円を渡したとして公選法違反の罪に問われている。両被告とも今年8月の初公判で、買収の意図はなかったと主張。無罪を訴え、検察側と全面対決している。

【決別 金権政治】
<第2部 被買収者>
(1)広島県議会、根深い「カネ」 奥原元議長、再び渦中
(2)広島県議、違法知りつつ支援 50万円受領に支持者落胆
(3)唯一の代議士に町側苦慮 前議長「仕返し恐れた」
(4)顔役巻き込み地域に影 「もう活動の資格ない」
(5)大物逃し起訴見送りか 検察、処分の公平性考慮
(6)政治家続投、厳しい視線 専門家「有権者に説明を」

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  •  2019年夏の参院選で河井克行、案里夫妻が100人に計2901万円を配ったとされる買収事件では、選挙に絡んだお金のやり取りが浮き彫りとなりました。令和の時代も変わらない「金権選挙」。皆さんの地域でも耳にしたこと、目にしたことはありませんか。体験、情報、意見をぜひお寄せください。(中国新聞「決別 金権政治」取材班)

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