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【こちら編集局です】「高校サッカー広島県大会 保護者の観戦なぜ駄目」 部員優先、コロナ対策も

2020/11/3
全国高校サッカー選手権広島県大会の決勝トーナメント準々決勝。グラウンド脇には選手が待機するテントが並び、ベンチ入り以外の部員も間隔を空けて座り、戦況を見守った(1日、皆実高)

全国高校サッカー選手権広島県大会の決勝トーナメント準々決勝。グラウンド脇には選手が待機するテントが並び、ベンチ入り以外の部員も間隔を空けて座り、戦況を見守った(1日、皆実高)

 冬の風物詩、全国高校サッカー選手権の広島県大会決勝トーナメントが10月25日に始まった。今年の大会は新型コロナウイルス感染拡大の影響で、準決勝、決勝を除いて、部員以外は観戦できなくなった。広島県の保護者から「息子の高校最後の勇姿を一目見たい。世間では新しい生活様式が叫ばれる中、観戦可能な競技もある。なぜサッカーは駄目なのか」との声が寄せられた。理由を探った。

 ▽各県で判断基準ばらつく

 広島県高体連サッカー専門部は同県高体連のガイドラインに沿って、保護者の観戦の可否を検討した。(1)生徒の待機エリアの確保(2)生徒と保護者のエリアと動線を分離(3)観戦時に2メートル程度(最低1・5メートル)の身体的距離の確保―の3条件に照らし合わせ、会場の出入り口やトイレの動線などを実際に調べたという。

 決勝トーナメントに進出した16校のうち、8校で部員が90人を超す。部員の観戦を優先した場合、保護者のエリアを十分確保できない試合会場があったという。条件をクリアした試合会場もあったが、公平性の観点から準々決勝までは一律、無観客と決めた。

 準決勝からは広島広域公園第一球技場(広島市安佐南区)の1会場となるため、部員1人につき保護者2人までの入場を認めた。同専門部は「生徒を支える保護者の気持ちを思うと本当に心苦しい。ただ、選手や部員が安心、安全にプレーできる環境を最優先したい」と理解を求める。

 中国地方の他県はどうか。岡山は一般まで観戦対象を広げ、10月31日にシティライトスタジアム(岡山市北区)であった決勝には約1200人が詰めかけた。島根は部員、保護者のみ観戦可とし、準々決勝からチーム内で人数制限を設けた上で保護者以外にも対象を広げた。山口、鳥取は部員、保護者のみ認めている。

 県によって対応に差が出るのはなぜか。それは、各県の判断基準にばらつきがあるからだ。岡山は選手の家族の観戦を前提とした日本サッカー協会のガイドラインをもとに判断。山口は県高体連サッカー専門部が独自の指針を設けて検討した。島根は保護者観戦を可とした県高校総体の代替大会を参考に判断した。

 ある県高体連サッカー専門部の関係者は「自県は広島の基準ほどは厳しくない。ただ、地域によって感染状況も異なり、何が正解なのか正直、分からない」と現場の苦悩を明かす。

 広島では今秋、ラグビーとバレーボールが会場の問題をクリアし、全国大会予選の全試合で保護者の観戦を認めた。サッカーの参加チーム数は県によって20〜90チームと幅があり、会場数や運営体制の難しさも異なる。その中で、いかに安全な運営と安全な観戦を両立させていくか。コロナ禍の中で大きな課題となっている。(山成耕太) 

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