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コロナ「第3波」 先手先手で対策講じよ

2020/11/13 6:29

 「第3波と考えてもよいのではないか」。日本医師会の会長がそう警鐘を鳴らしたように、新型コロナウイルスの新規感染者が全国で急増している。きのうは1600人を超え、過去最多となった。

 東京都では8月下旬以来となる300人を超す感染者が確認されている。北海道でも1週間以上続けて3桁の新規感染者が出ているのをはじめ、各地で連日、最多を更新している。

 この状況にも政府は、現段階で緊急事態宣言を出す状況ではないとしている。

 しかし、これから冬本番を迎え、感染は急拡大する可能性がある。救急や肺炎による入院患者が増えてくる時期である上、インフルエンザとの同時流行が起きれば、医療体制は一気に逼迫(ひっぱく)、崩壊しかねない。

 爆発的な感染拡大につながらないように、政府はクラスター(感染者集団)対策を講じるという。その上で各地の感染状況を注視し、観光や飲食業界を支援する「Go To キャンペーン」の見直しを含め、拡大防止策を急ぐ必要がある。

 春に感染拡大した第1波に続き、夏には第2波と呼ぶべき流行期もあった。1日当たりの新規感染者数は、8月上旬にピークを記録している。

 その経験から、政府や医療機関は効果的な対策を学び、蓄積している。国民も感染防止策を身に着けてきたはずだ。

 ところが経済活動の再開などもあり気が緩んだように映る。感染症が流行しやすい冬を前に企業や学校、家庭などで改めて警戒を強めたい。

 感染状況にはこれまでと異なる特徴がみられる。第2波の際は若い世代の感染が多かったのに対し、今回東京都では中高年が20代、30代を上回る。

 感染場所は、接待を伴ういわゆる「夜の街」の店から、居酒屋などへ移行している。同僚や知人との飲食で感染し、家庭内に持ち込まれるようだ。

 経路不明の感染者も増えており、市中感染の広がりを示す。

 北海道は警戒ステージを3に引き上げた。札幌市中心部にある繁華街の飲食店に営業時間短縮などを要請している。北海道には観光客が戻ってきていた。感染急増には「Go To」の影響もあるのではないか。

 医療体制は今のところ心配ないという。とはいえ、厚生労働省が11日公表したデータによると、6都府県で確保できている病床の使用率が「ステージ3」の指標25%を超えている。11月3日時点で沖縄県(43・1%)、宮城県(38%)、岡山県(31%)という。10月末から入院患者、重症者の数が上昇に転じており警戒が必要だろう。

 政府はスポーツなど大規模イベントの入場制限を来年2月末まで継続する方針を固めた。一方で「Go To」の見直しには慎重な姿勢を見せる。経済対策が重要なのは理解できるが感染拡大の回避へ、見直しをためらわず、先手を打つべきだ。

 「Go To イート」で売り上げの回復した店がある一方で利用者に気の緩みが目立つ。5人以上のグループで飲食店を訪れ、大声で騒ぐ姿もある。

 寒く乾燥する冬期は感染の危険が高まる。密閉した室内で暖房を効かせて過ごす時間も多くなる。換気の徹底など予防策を情報発信する必要がある。 

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