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【激震 元法相夫妻公判】現金「お礼・陣中見舞い」 案里被告、笑み交え証言

2020/11/13 23:03
弁護側の被告人質問に答える河井案里被告(イラストと構成・勝山展年)

弁護側の被告人質問に答える河井案里被告(イラストと構成・勝山展年)

 「当選祝い、陣中見舞いを渡した。投票の取りまとめの趣旨ではございません」。昨夏の参院選広島選挙区の大規模買収事件で自民党の広島県議ら5人に現金を渡したとされる河井案里被告(47)=参院広島=は、13日に始まった被告人質問で買収の意図を重ねて否定した。ただ、現金を受け取った側の5人は法廷で買収の意図があったと証言している。検察側が質問に立つ次回以降がヤマ場となる。

 この日、質問をしたのは案里被告の弁護人。県議を4期務めた後、参院選に臨んだ案里被告の歩みを振り返りつつ、被買収側の5人のうち3県議について質疑し、案里被告は証言台の前に座って答えた。

 岡崎哲夫県議(65)=府中市・神石郡=には、県議選で無投票当選が決まった翌日の昨年3月30日に30万円を渡したと認めた。案里被告は「(県議時代に)同じ会派の先輩として大変指導してもらった。ありがとうございましたという気持ちを込めて、当選祝いを差し上げた」と強調。「(岡崎県議は)『案里ちゃん、ありがとう』と受け取った」と述べた。

 続いて、平本徹県議(55)=安芸郡=にも県議選中の同4月5日に妻へ30万円を渡したと認め「平本県議は1回生で、私は4期。選挙を頑張ってという陣中見舞い。後輩の応援に手ぶらで行くことは通常あり得ない」と語った。

 案里被告の陣営を巡る車上運動員への違法報酬疑惑が報じられた後の昨年12月に案里被告から「あれ、なかったことでいいよね」と、電話があったと平本県議が証言している点については「(疑惑が報じられ)お騒がせしたとの思いだった」と説明。口裏合わせの目的ではないと訴えた。

 50万円を渡したとされる下原康充県議(69)=東広島市=への現金提供は記憶にないと主張。弁護人から「仮に事実だとすればなぜか」と問われると、「県議で14年間お世話になったのでお礼の気持ちを込めて陣中見舞いを差し上げた。奥さまがご病気と伺ったので見舞いの気持ちもこもっていたと思う」と述べた。

 集票活動に関する問いでは「票を取りまとめていただく方は世の中に存在しない」と強調。「人間と人間との信頼関係でしか、票は入らない。投票は尊く、神聖で、投票用紙に名前を書いてもらう面倒くさい行為」との持論を語った。

 3時間余り続いた被告人質問。10月27日に保釈され、弁護人と入念にリハーサルをして公判に臨んだ案里被告は時折笑顔を交え、よどみなく答えた。17日と20日に予定される公判で検察側の質問にどう説明するかが焦点となる。

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案里被告「票をお金で買う発想ない」 被告人質問始まる

【案里被告第25回公判 弁護側被告人質問詳報】
▼参院選巡る情勢
 <1>(知事選での)20万票は自信になりました
 <2>二階幹事長から「ぜひやりなさい」
 <3>県連は溝手先生、県連に突き放されました
 <4>公示前だけで名刺を30万枚配った
 <5>(溝手氏に対する攻撃)一切ありません
 <6>票をお金で買う発想、私の中にはございません
▼岡崎県議への現金提供
 <1>自民会に快く迎え入れてくれた先生方への感謝
 <2>(岡崎県議は)「案里ちゃん、ありがとう」
 <3>案里ちゃんと溝手先生の2人を半々に分けてやるよと
▼平本県議への現金提供
 <1>「陣中見舞いだから」と差し出しました
 <2>立腹しているという意思表示はなかった
▼下原県議への現金提供
 <1>下原先生にお願いするよう指示したことはありません

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