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【激震 元法相夫妻公判】「家内の選挙に」と現金 後援会幹部に克行被告

2020/11/16 23:51

 ▽32人の調書採用、弁護側が一転同意

 昨年7月の参院選広島選挙区の大規模買収事件で公選法違反罪に問われた河井克行被告(57)=衆院広島3区=の第10回公判が16日、東京地裁であった。弁護側が、克行被告が現金を渡したとされる後援会関係者51人のうち、32人の供述調書を証拠として採用することに同意。検察側がうち4人の調書を朗読し、克行被告が「家内の選挙のために使って」「ガソリン代に」などと言い、現金を渡していたことが明らかになった。4人はいずれも買収の趣旨の現金と供述している。

 弁護側が調書の証拠採用に同意した32人は証人尋問をする必要がなくなるため、審理が一定程度早まる見通し。弁護人によると、克行被告が「後援会員は家族同然。証人として出廷してもらうのは忍びない」との意向を示したという。

 検察側が調書を朗読した4人は、克行被告の選挙区の衆院広島3区内の後援会幹部。調書によると、克行被告は昨年5月10日、支部長の男性方を訪れ「今度の選挙よろしくお願いします」と5万円入りの白封筒を差し出した。男性は14年の衆院選でも克行被告から5万円を渡されたとし「票のとりまとめの趣旨と思った」と供述。後援会の入会者集めを手伝うなどした。

 同じ日に克行被告は後援会の女性会会長の自宅も訪問。「家内が出るからよろしく。電話代に」と10万円入りの白封筒を渡した。女性は「電話作戦を頑張ってくれということと思った」と説明したという。克行被告は同月11、12日にもそれぞれ別の支部長男性と面会。各5万円を渡した。

 この日の公判では、克行被告の妻案里被告(47)=参院広島=の陣営に自民党本部から派遣されていた元男性職員の供述調書も読み上げられた。調書によると、克行被告は昨年4月に広島市安佐南区の事務所で「大変だろうから」と20万円、同5月に中区の事務所で「今月分ね」と10万円を渡した。関係者によると、男性は企業回りや党本部との調整役を担ったという。

 さらに検察側は、河井夫妻から現金を受け取っていないと供述した宇田伸広島県議や碓井法明広島市議たち13人の調書も朗読した。

 起訴状によると、克行被告は昨年3〜8月、案里被告を当選させる目的で地方議員や後援会員ら100人に計2901万円を渡した疑い。現金提供の事実をおおむね認める一方で、買収の意図を否定して無罪を主張。弁護側は100人の供述調書の証拠採用に同意しなかったため、法廷で順次、証人尋問をする方向で協議が進んでいた。


【詳報・克行被告第10回公判】
 後援会幹部4人の供述調書 「家内の選挙のために使って」と言われた
 現金受領ないとした13人の供述調書<1>克行さんは野望のため平気で人を裏切る
 現金受領ないとした13人の供述調書<2>先輩を秘書に紹介したがひどい扱いでやめた
 元自民党本部職員たちの供述調書 他に返却している人がいた

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