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19年の政治資金収支「不明」 河井夫妻が代表の自民党支部 「1億5千万円」使途分からず 

2020/11/20 8:41
克行被告が代表を務める自民党支部の2019年の政治資金収支報告書の要旨。前年繰り越しの収入を除き、全て「不明」としている

克行被告が代表を務める自民党支部の2019年の政治資金収支報告書の要旨。前年繰り越しの収入を除き、全て「不明」としている

 2019年7月の参院選広島選挙区を巡る大規模買収事件で公判中の河井克行被告(57)=衆院広島3区=と妻の案里被告(47)=参院広島=がそれぞれ代表を務める自民党支部が、19年の政治資金の収支を「不明」と報告していることが20日、分かった。両支部には参院選公示前、党本部から計1億5千万円が入金されているが、具体的な使途は分からない状態が続く。

【写真】河井夫妻が代表の自民党支部の政治資金収支報告書のコピー


 広島県選管が同日、両支部から提出されていた19年分の政治資金収支報告書を公開した。克行被告の「党県第三選挙区支部」は収入総額、本年収入額、支出総額、資産などの内訳をいずれも「不明」と記載。収入の前年繰越額のみ1121万9300円と記している。

 案里被告の「党県参院選挙区第七支部」は収入総額、本年収入額、支出総額、資産などの内訳をいずれも「不明」としている。同支部は、案里被告が参院選の党公認候補に決まった翌月の昨年4月に設立されたため前年繰越額はない。

 「不明」の理由について両支部とも検察当局に関係書類を押収されたことを挙げている。いずれの報告書にも、添付義務のある領収書の写しはなかった。

 両支部には参院選前の昨年4〜6月、5回にわたり党本部から計1億5千万円が入金されている。同選挙区で党現職候補だった溝手顕正氏(78)の10倍に当たる。うち1億2千万円は税金が原資の政党交付金だった。

 総務省が今年9月に公開した19年分の政党交付金の使途等報告書でも、両支部は党交付金の支出全てを「不明」と報告。領収書の写しの添付はなかった。

 また、克行被告の元政策秘書が代表を務める党支部と案里被告の後援会の19年分の収支報告書も、同様の理由で前年繰越額を除く収支を「不明」としている。

 克行、案里被告は公選法違反容疑で逮捕される前日の今年6月17日に自民党を離党した。一方で、両被告が代表を務める党支部は今も存続している。

 政治資金規正法は政治団体の1年間の収支報告書を翌年3月末までに提出するよう定めているが、県選管によると、提出後に訂正できるという。県選管事務局は「不明分が明らかになった時点で報告書の訂正があれば受け付ける」と説明している。

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案里被告が代表の党県参院選挙区第七支部の収支報告書の詳細(2019年分)

克行被告が代表の党県第三選挙区支部の収支報告書の詳細(2019年分)

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