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自民本部、河井夫妻を特別扱い 1日7500万円、夫妻だけの交付日も 19年政治資金報告書

2020/11/27 17:16
2019年6月10日、河井夫妻が代表の党選挙区支部へ計7500万円の振り込みを記す自民党本部の政治資金収支報告書

2019年6月10日、河井夫妻が代表の党選挙区支部へ計7500万円の振り込みを記す自民党本部の政治資金収支報告書

 自民党本部が2019年7月の参院選の公示前、元法相の河井克行被告(衆院広島3区)と妻の案里被告(参院広島)=ともに同党を離党=の二つの党選挙区支部に提供した計1億5千万円のうち半分の7500万円が6月10日に振り込まれ、しかも同日の交付金支出先は河井夫妻だけで特別扱いされていたことが27日公開された19年分の政治資金収支報告書(総務相所管の中央分)で分かった。

 党本部が支出計上した支部交付金の一覧によると、都道府県連や党支部への支出日には複数の交付先が記録されたケースがほとんど。党支部への1回当たりの交付額で4千万円以上は克行被告側への6月10日分だけで突出し、参院選広島選挙区を巡る大規模買収事件で公選法違反罪に問われている河井夫妻への厚遇が改めて裏付けられた。

 問題の昨年6月10日は克行被告が支部長の党広島県第三選挙区支部に4500万円、案里被告が支部長の党県参院選挙区第七支部に3千万円が振り込まれた。

 参院選に向けた河井夫妻への資金提供は案里被告の党支部に対する4月15日の1500万円が最初。党本部主導で擁立が決まった約1カ月後で、既に公認されていた候補者へ「選挙対策費」と「公認料」の名目で提供された合計金額と同額だった。案里被告側への2回目は5月20日の3千万円。6月10日の夫妻への7500万円を挟み、最後は同27日、克行被告の党支部に3千万円だった。

 この3千万円は党費や献金からなる党の一般会計から支出され、それ以前の1億2千万円は税金が原資の政党交付金だった。

 当時党総裁だった安倍晋三前首相は1億5千万円について「買収に使われていない」と強調するばかりで使途の詳細を明らかにせず、今年9月に辞任。菅義偉首相も先の党総裁選で「総裁になれば責任を持って対応したい」と述べたが具体的な動きを見せていない。

 ▽克行被告関係2団体、収支の大半「不明」

 昨夏の参院選広島選挙区を舞台にした大規模買収事件で公判中の元法相、河井克行被告の資金管理団体「日本の夢創造機構」と、同被告の後援会長が代表を務める政治団体「河井克行後援会『三矢会』連合会」が、2019年分の政治資金収支報告書で収支の大半を「不明」としたことが27日、分かった。

 両団体は18年分からの繰越金としてそれぞれ約10万4千円、約2万3千円を計上した以外は、寄付や土地などの資産も全て「不明」と記載。会計責任者の秘書らの名義で添付した宣誓書で、検察当局に関係書類が押収されたことを理由に挙げ、「返還された時には報告書を訂正する」と記している。

 18年分の報告書では、日本の夢創造機構が約1285万円、河井克行後援会「三矢会」連合会が約9万円の収入を計上していた。(下久保聖司)

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