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攻防第2幕、連座訴訟へ 検察、案里被告の「失職」に自信 年明け審理か【秘書起訴の行方 河井夫妻公選法違反事件】

2020/11/28 23:06

 昨夏の参院選広島選挙区で初当選した河井案里被告(47)の陣営を巡る車上運動員への違法報酬事件で、最高裁が公設第2秘書の立道浩被告(55)の上告を退け、案里被告が連座制で失職することがほぼ確実となった。議員バッジを付けて約1年4カ月。失職を巡る攻防は、広島高検が起こす連座訴訟へと舞台が移る。

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 「立道被告の刑事裁判で認められた事実関係は連座訴訟でも生きる。検察側が問題なく勝てる」。検察幹部の一人は案里被告の「失職」に自信を見せる。

 高検は懲役1年6月、執行猶予5年の立道被告の判決確定から30日以内に、案里被告の当選無効を求める連座訴訟を広島高裁に起こし、検察側が勝訴すれば案里被告は失職する。法務省によると、連座制を強化した1994年の公選法改正から2005年5月までに提起された連座訴訟117件のうち116件で検察側の勝訴が確定した。別の検察幹部は「後は粛々と手続きを進めるだけ」と語る。

 関係者によると、連座訴訟は順調に手続きが進めば年内に提訴。年明けに審理が始まり、2月にも判決が出る可能性がある。ただ、高裁が当選を無効とする判決を言い渡しても、案里被告が上告した場合には最高裁が最終決定の場となる。

 一方で、案里被告自身も同選挙区を巡る大規模買収事件で公選法違反罪に問われ東京地裁で公判中。12月23日の公判で結審し、年明けに判決が出る見通しだ。

 罰金刑以上が確定すれば案里被告は失職するが、控訴、上告した場合、刑の確定はずれ込む。政治資金問題に詳しい日本大の岩井奉信教授(政治学)は「連座訴訟の結論によって失職する公算が大きい」とみる。

 衆参両院の再選挙は4月と10月の年2回、いずれも第4日曜日にある。仮に案里被告の失職が来年3月15日までに確定すれば、同4月8日告示、25日投開票となる。それ以降になると同10月7日告示、24日投開票。失職の可否が決まる時期は連座訴訟と案里被告の裁判の結果に左右され、現段階では見通せない。

 案里被告は6月18日に夫で元法相の克行被告(57)=衆院広島3区=とともに逮捕された。前日に自民党を離党したものの説明責任を果たすことなく、議員の職にとどまり続けている。

 参院事務局によると、案里被告には毎月、給与に当たる歳費と文書通信交通滞在費の計約200万円が支払われ、逮捕後の6月に続いて12月10日には309万5895円のボーナスが出る。公設第2秘書の立道被告にも国から歳費やボーナスが今も支給されている。

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