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アーモンドアイ、有終

2020/11/30 6:00

 3頭を何に例えるか。信長、秀吉、家康―とみる実況アナがいた。うーん、不運な最期だった人が気になる。大鵬、千代の富士、白鵬を挙げたお笑いの人もいた。いや、横審が苦言を呈した横綱はどうかな▲史上初めて牡牝の歴代三冠馬3頭が競った。きのうのジャパンカップである。いずれも非の打ち所がなさそうで、しかも現役最強と称された牝馬アーモンドアイはこれにて幕を引く。海外の競馬記者は「東京の街から人がいなくなる」と伝えたが、それほど注目されていた証しか▲レースはアーモンドが直線で先頭をとらえて、1着に。「プロフェッショナルだったね」とルメール騎手は彼女をたたえた▲レース前、騎手も調教師も「無事に帰ってきてくれ」と口をそろえた。〈無事これ名馬〉という格言が浮かぶ。世紀の一戦で少々離されても慌てず、有終の美を飾った。〈泰然自若〉という言葉もよぎる。重苦しいニュースが多い中、人馬の熱きドラマを、緑の芝に見た気がする▲コントレイル2着、デアリングタクト3着と、若き三冠馬も続いた。「3頭のゴールをスマホの待ち受け画面に」と、くだんのお笑いの人は願っていたが、多分かなったはずである。

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