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【激震 元法相夫妻公判】「双方罰せられる認識」 水戸元市議、10万円受領巡り

2020/12/3 23:11
水戸真悟元安芸高田市議

水戸真悟元安芸高田市議

 昨年7月の参院選広島選挙区の大規模買収事件で、公選法違反罪に問われた元法相の河井克行被告(57)=衆院広島3区=の第15回公判が3日、東京地裁であった。当時、安芸高田市議会の副議長だった水戸真悟元市議(72)が検察側の証人として出廷し、克行被告から10万円入りの封筒を受け取ったと証言。「双方とも罰せられる認識を持っていた」と述べ、違法性を認めた。

 水戸元市議によると、克行被告が昨年3月27日に市議会の副議長室を訪問。妻の案里被告(47)=参院広島=が出る参院選の支援を依頼し、帰り際に白封筒を机の上に置いたという。水戸元市議は「『いけません』と言うと『いいから、いいから』と言われて足早に去られた。違反になると認識していた」と述べた。

 克行被告が去った後、同じ日に克行被告から20万円を渡された当時議長の先川和幸市議(73)と「返さないといけん。お縄になる」と話したという。水戸元市議は机の引き出しなどに10万円を保管。一部を飲食代などに使い、後で穴埋めしたという。参院選の公示前には案里被告のポスターを張ったり、集会で案里被告の支援を訴えたりしたほか、公示後は選挙カーの先導役を務めたという。

 水戸元市議は、克行、案里両被告が逮捕された後の今年6月26日に現金授受の事実を公表し、7月17日に議員辞職した。検察側の尋問で辞職理由を問われると「行政、市民に多大な混乱を招いたことに責任を痛感している」と語った。

 克行被告は地方議員ら100人に計2901万円を渡したとして起訴されているが、検察当局は現金を受領したとされる100人は起訴していない。

 ▽「奥原県議から300万円」 98年参院選で克行被告、弁護人に説明

 3日の河井克行被告の公判では自民党の奥原信也広島県議(78)=呉市=と、矢立孝彦・同県安芸太田町議(67)の証人尋問もあった。9月の案里被告の公判に続いて2度目の証言。いずれも違法性を認めた。

 弁護側は奥原県議に対し、1998年の参院選広島選挙区で自民党の2人目の公認候補として立候補した際、衆院議員だった克行被告に300万円を渡したかどうかを確認。奥原県議は「記憶にない」と繰り返した。閉廷後、弁護人は報道陣に対し、克行被告が奥原県議から300万円を受領したと話していると明かした。同選挙区は改選2議席を争い、奥原県議は3位で落選した。

 このほか奥原県議は、昨夏の参院選前に両被告から計200万円を受け取ったと説明。「呉市を中心に案里議員の名前が浸透していないので票を集めてほしいのだと思った」と述べた。

 矢立町議は、自宅に来た克行被告から20万円入りの封筒を置いて帰られたとし「私への買収資金のような金と感じた」と語った。

【詳報・克行被告第15回公判】(12月3日)
 水戸元安芸高田市議証言<1>お縄になる。手錠を掛けられると思った
 水戸元安芸高田市議証言<2>良心の呵責に耐えられなくなり…
 奥原県議証言<1>候補者自身が現金を配って歩くのは珍しい
 奥原県議証言<2>最初から違法だと思っていた
 奥原県議証言<3>克行先生は若くて夢があった
 矢立安芸太田町議証言<1>私に侮辱的な行為をしたと感じた
 矢立安芸太田町議証言<2>具合が悪いお金の匂いだった
 矢立安芸太田町議証言<3>議長の立場、感情を押し殺して出席するのがエチケット

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  • 奥原信也広島県議
  • 矢立孝彦安芸太田町議

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