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「嫌金」ワクチン

2020/12/4 6:01

 日々の食卓に上る卵は大半が国産のはず。確認しようと農林水産省のデータを見て驚いた。確かに昨年度の国産率は96%を誇るが、自給率はたったの12%しかない。その差の84ポイントは、卵を産む親鳥に与える輸入飼料分なのだ▲そんな鶏卵はインフルエンザのワクチン製造にも使われる。若い親鳥を集めて大量の有精卵を確保、その殻の中でウイルスの株を培養して…。予防接種までに1年もの時間がかかり、おいそれと増産もできないという▲一方、はなから輸入に頼るのが新型コロナウイルスのワクチンだ。英国や米国では間もなく接種が始まる。うらやましくもあるが、調達できても安全確認はおろそかにできまい。国産品ゼロの返上を目指し、国内の専門家も開発に奮闘中のよう▲福山市の鶏卵生産大手の元代表が、親鳥のストレスを減らす国際的な飼育基準が厳し過ぎるとして、当時の農水相に泣きついたらしい。差し出したとされる500万円は、国際基準の適用を予防する注射代わりなのか▲このところ政治とカネをめぐる疑惑で何かと中国地方が目立つ。いかがわしいカネを察知して拒絶反応を示す。政治土壌の改良に効く「嫌金」ワクチンも欲しくなる。

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