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しぶきの飛ばない「手話カフェ」

2020/12/5 6:41

 その一日カフェは客への「注文」で始まった。「どうぞ、手話でご注文を」。9日までの障害者週間にちなんで、JR三原駅前で三原ろうあ協会と手話サークルが催した手話カフェに立ち寄った▲カップの取っ手を片手でつまみ、もう片方でスプーンをかき回すふりが、コーヒー。紅茶なら、片方の手がティーバッグの上げ下げに代わる。普段の生活でなじんだ表現で分かりやすい▲しなやかに動く手指の「会話」を眺めていて、気付いた。口を開けない手話なら、新型コロナの感染を防げる。離れた人ともやりとりができる。コロナ禍が、むしろ手話を世間に広めるてこになりそう。かけた時間の割に身に付かなかった英語よりもよほど覚えやすい▲永田町では今国会中、聴覚障害のある子どもを育てた参院議員が本会議で手話をしながら質問した。手話を終始通したのは史上初という。答弁に立った首相と財務相はといえば原稿の棒読みだったのが、ほとほと残念▲三原駅周辺では13日まで、喫茶店や公共施設が会場の「フクシ×(カケル)ミハラ アート展」もある。市芸術文化センターポポロではあす、手話カフェが再びのれんを掲げる。街巡りにはマスクと厚着を忘れずに。 

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