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ワクチン接種と為政者

2020/12/9 6:37

 まだ半分近い人々は尻込みしている―。新型コロナウイルスのワクチン接種に関する米国での世論調査結果である。開発にこぎ着けたとはいえ、急ごしらえすぎて、不安が先立つのかもしれない▲40年以上も前の豚インフル騒ぎを思い出した人もいるだろう。陸軍基地で感染症が発生し、若い兵士が亡くなった。大流行を恐れた米政府はワクチン開発を急ぎ、接種を大々的に呼び掛ける。しかし深刻な副作用が起きたため、中断に追い込まれた▲今回、オバマ氏ら3人の元大統領が相次いで名乗りを上げた。新型コロナワクチンの接種に公開の場で応じる、と。彼らの率先垂範によって、さて根強い不安は拭えるだろうか▲米国に先んじて英国できのう、接種が始まった。ジョンソン首相は、自らの接種の様子のテレビ中継まで検討中だという。不安を抱える国民に納得して受けてもらうため、懸命のようだ▲かと思えば、ロシアのプーチン大統領のように接種に尻込みする政治家もいる。安全確認中なのに、英国より早く接種を始めた。自らには「不確かなワクチンは使えない」という。まるで国民を実験台にしているようだ。危機対応でトップの姿勢があらわになる。 

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