【激震 元法相夫妻公判】10万円「パチンコに」 元安芸高田市議、受領認める
昨年7月の参院選広島選挙区の大規模買収事件で、公選法違反罪に問われた元法相の河井克行被告(57)=衆院広島3区=の第18回公判が9日、東京地裁であった。検察側は、克行被告から10万円を受け取ったとされる青原敏治・元安芸高田市議(70)の供述調書を朗読。青原元市議が「(10万円をもらえて)ラッキーだと思った。大好きなパチンコに使った」と供述していたことを明らかにした。
▽「封筒焼却」発言を一転
供述調書によると、克行被告が昨年6月8日、参院選に出る妻案里被告(47)=参院広島=のポスターなどを持参して青原元市議の自宅を訪問。「家内を頼む」という趣旨の話をした後、「これも取っといて」と封筒を差し出した。青原元市議は、買収のための違法な現金と気付いて受け取りを拒んだが、克行被告は「まあまあ。入れておきますね」と、チラシなどが入った大きな封筒の中に入れた。
克行被告が帰宅後に封筒を開けると、10万円が入っていた。罪悪感を感じたが、パチンコが好きだったため「ラッキー」と思い、1、2カ月で全額を同市内のパチンコ店で使った。7月4日の参院選の公示日には案里被告の出陣式に参加。選挙期間中は選挙カーの誘導をするなど、案里被告を支援したという。
この現金授受を巡っては、青原元市議が今年6月26日に記者会見。克行被告が案里被告のチラシが入った封筒を自宅に置いて帰ったが、自身は封筒に10万円が入っていることに気付かず、中身を確認しないまま参院選後に封筒ごと燃やしたと説明していた。その後、市民に迷惑を掛け、混乱を招いたとして、7月17日に市議を辞職した。
記者会見と供述調書の内容が食い違う点について青原元市議は公判終了後、同市内の自宅前で中国新聞の取材に「(記者会見では)パチンコに行ったと言えなかった。責任を取って辞めているんだからいいじゃないか。もう話すことはない」と強調。「ラッキーとは一つも思っていない。検察が(供述調書に)書いただけだ」と釈明した。
この日の公判では、検察側は昨年6月に5万〜10万円を受け取ったとされる後援会員3人の供述調書も朗読。3人とも後日に克行被告や事務所スタッフに返却したとの供述内容が読み上げられた。
【詳報・克行被告第18回公判】(12月9日)
青原元安芸高田市議の供述調書朗読 10万円はありがたい、ラッキー、パチンコに使える
後援会支部女性会事務局員の供述調書朗読 5万円は返しましたが心が痛みました
後援会支部女性会会長の供述調書朗読 封筒をその場で返せば良かったと後悔
後援会支部会員の供述調書朗読 投票の趣旨で5万円を受け取り、返したことに間違いありません
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