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【激震 元法相夫妻公判】「国会議員のくせに少ない」 30万円受領の土井・呉市議、捜査段階供述

2020/12/11 23:27
土井正純・呉市議

土井正純・呉市議

 昨年7月の参院選広島選挙区の大規模買収事件で、公選法違反罪に問われた元法相の河井克行被告(57)=衆院広島3区=の第19回公判が11日、東京地裁であった。土井正純呉市議(55)が検察側の証人として出廷し、買収目的で克行被告から30万円を渡されたと証言。弁護側は、土井市議が検察当局の任意聴取で「国会議員のくせに30万円か。少ないな」と供述していたと明らかにした。

 土井市議は検察側の主尋問で現金授受の経緯を説明した。それによると、克行被告の妻案里被告(47)=参院広島=が立候補した参院選投開票の3日前の昨年7月18日、案里被告の呉市内の選挙事務所で克行被告と面会。克行被告は「まだまだ厳しい」「選挙は最後の最後までよろしく」などと言った後、無言で封筒を座卓の上に差し出した。土井市議は買収目的の現金と思い、返そうとしたが、再び無言で差し出された。

 部屋には2人だけだったが、間仕切りで区切っただけの構造だったため、言葉で拒否すれば周りのスタッフに聞こえると思い、胸ポケットに納めたという。同日に市議会の所属会派の控室で封筒に30万円が入っているのを確認し、自身の口座に入金。参院選の公示前後に、案里被告の街頭演説に自身の支援者を動員するなど後押しした。

 弁護側は反対尋問で、現金授受について検察当局が作成した土井市議の供述調書を朗読。「お金欲しさに行ったわけではない。国会議員のくせに30万円か。少ないな。こんなもの持ってきて。政治活動で使ってしまえと思って口座に入れた」との内容を読み上げ、当時の心境をただした。土井市議は「(自分が)それだけの価値しかないのかなと思った」と釈明した。

 弁護側は、土井市議が7月に呉市議会から全会一致で辞職勧告決議を受けたのに辞職していない点も質問。土井市議は「このまま頑張れという有権者は多くいる。その代表として議員をやっている」と語った。

 続いて、9月の案里被告の公判でも証言した藤田俊雄廿日市市議(69)が出廷。昨年6月29日に克行被告から10万円を受け取り、票の取りまとめを依頼する趣旨と感じたと証言した。

 ▽6人の証人尋問、来月12・14日

 東京地裁は11日、来年1月12日の河井克行被告の公判で、いずれも現金を受け取ったとされる宮本新八広島県議(61)=山県郡▽岡崎哲夫広島県議(65)=府中市・神石郡▽石橋竜史広島市議(49)=安佐南区―の3人、同14日の公判で山下智之広島県議(60)=廿日市市▽先川和幸安芸高田市議(73)▽砂原克規広島県議(67)=西区―の3人をそれぞれ証人尋問すると決めた。

 検察側によると、宮本、岡崎、砂原の3県議はいずれも2回にわたって計50万円、石橋市議、山下県議は30万円、先川市議は20万円を受け取ったとされる。岡崎県議、先川市議は案里被告の公判に続いて2回目、宮本、砂原、山下の3県議と石橋市議は初めての出廷となる。

【第19回公判】(12月11日)
土井正純呉市議証言<1>若い女性が国会議員になることは今後の日本にいい
土井正純呉市議証言<2>やりとりしている中で、無言になって、封筒を差し出してきた
土井正純呉市議証言<3>これは受け取らざるを得ないと思い、胸ポケットにしまった
土井正純呉市議証言<4>違法なことをしているとスタッフに悟られたくなかった
土井正純呉市議証言<5>国会議員のくせに30万円か少ないな こんなもの持ってきて
藤田俊雄廿日市市議証言<1>特に申し上げることはありません
藤田俊雄廿日市市議証言<2>実力者に向かって買収のお金と突き返すことはできません
藤田俊雄廿日市市議証言<3>どこかで処分があるのだろうと思いますが、受け入れる
後援会員Aの供述調書朗読 こういうことはよくあるのかなと思い、ばれるとは思わず
支援者の供述調書朗読 選挙違反になると常識的に分かりましたが、正常に判断できず
後援会員Bの供述調書朗読 高額ではないし、突き返して顔をつぶすほどではないと思った

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  • 藤田俊雄・廿日市市議

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